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チャールズ・マーティン(アメリカ)VSジェラルド・ワシントン(アメリカ)
ヘビー級12回戦(2020年2月22日)
マーティンは、30戦27勝24KO2敗1分け、33歳のサウスポー。IBF11位。 元IBF王者。 196cm。
2016年にアンソニー・ジョシュアの挑戦を受け、TKO負けでプロ初黒星を喫し、IBF王座から陥落しています。
ワシントンは、24戦20勝13KO3敗1分け、37歳。IBF9位。198cm。
2017年にワイルダーに挑戦し、TKO負けを喫してからは、2勝2敗と低迷しています。
試合経過)
IBF世界ヘビー級の挑戦権をかけた一戦ですが、ジョー・小泉さんに言わせると、「生き残り戦ですね」。
1R)終盤にマーティンの左がヒット
お互いジャブの突き合いで、間合いを図っています。マーティンがやや前にでて、ワシントンは右のカウンターを狙ってます。ラウンド終盤、マーティンの左が浅くヒットしましたが、ここはワシントンがクリンチで逃れます。
2R)お互い手数が少ない
前に出積極的に仕掛けるのはマーティン。ワシントンは距離と取って、右のカウンターを狙っています。しかし、 にらみ合いが多く、お互い手数が少ないですね。
3R)マーティンの左か、ワシントンの右か
以前、スパーリングパートナーだったようで、お互い手の内を知り尽くしていためか、やり難そうです。
このラウンドは、序盤からお互い手を出して攻勢をかけます。そして、マーティンの左ストレートがワシントンの顎をとらえ、ワシントンがロープに詰まります。しかし、ワシントンが右のカウンターを狙っているため、マーティンも容易に中に入れません。マーティンの左か、ワシントンの右か、当たれば倒れるでしょが…。
4R)終盤にマーティンの左がヒット
ワシントンが右を放てば、マーティンは左を返します。お互い引き出しの少ない単調な攻めですね。このラウンドは、ワシントンが積極的に仕掛けます。
しかし、中盤辺りからまた、お互い探り合いが続き手数が減ります。ラウンド終盤、マーティンの左ストレートがヒットし、ワシントンが体勢を崩し、やや足元が怪しくなります。
5R)ワシントンの右は当たらず
ワシントンが流れを変えようと、大きな右を連打で打ち込みますが、マーティンはいずれもしっかりガードして、受け流します。ワシントンは左ジャブを突いて、右のタイミングを計っています。
ワシントンが前に出たところへ、マーティンの左フックが浅くヒット。ラウンド後半から、マーティンの左が当たり出します。ワシントンも左を伸ばして、右を放ちます。そして、お互いの左右のパンチが交錯しますが、いずれもヒットしません。
6R)左フック一発
ワシントンの右が上下に浅くヒットします。しかし、ワシントンもなかなか追撃のパンチが出ません。退屈な流れになってきましたね。
そして、ラウンド中盤からマーティンが仕掛けます。距離が近くなったところへ、マーティンの左フックがワシントンの顎をとらえ、ワシントンがダウン!
まともに顎にヒットし、立ち上がってきたもののふらつくワシントンを見て、レフリーが試合をストップしました。6RKO勝ちで、マーティンが挑戦権を獲得しました。
「わしボク」の節穴の「目」
ヘビー級の醍醐味はやっぱりKO
「わしボク」はおそらくこのままだらだらと判定決着になると思い、ちょっと目を離した瞬間にワシントンが倒れていました。 5ラウンドまでの退屈な流れを、左フック一発で終わらせました。 やっぱりヘビー級ですね。たった一発で試合が決まってしまいます。油断禁物です。
ワイルダーがルイス・オルティスを右ストレート一発で倒した瞬間は、しっかり見ていました。こちらはワイルダーが終始押されていた展開でしたが、緊迫感が違いました。
「生き残り戦」に敗れたワシントンは、これで完全に世界戦線から脱落ですね。
ジョシュアVSマーティン
2016年以来の再戦です。この時は、ジョシュアが2RであっさりKOしていますが、今のマーティンの実力では同じような結末になるような気がします。ただ、ジョシュアもあの時の勢いはありませんから、勝ちに徹して打ち合いを避ける可能性も十分あります。いずれにしても、マーティンに勝ち目はないでしょう。