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WBO世界ミニマム級タイトルマッチ
田中恒成VSビック・サルダール(フィリピン)
愛知県開催のためテレビで見ることができなかった年末世界戦の最後の一つが、TBSチャンネル2で放映されていましたので、早速録画してじっくり検証しました。
(出典:TBSチャンネル2)
挑戦者のサルダールは12戦11勝9KO1敗の戦績通り、なかなか手応えのある強い挑戦者でした。
初回、少し硬さの見られる田中に対して、威力のありそうな左右ストレートを放ち、早くもペースを握りました。
スピードでは田中と言われていましたが、サルダールも速さでは負けてはいませんでした。しかもミニマム級とは思えないパワーのあるパンチ。
3ラウンドには早くも田中が鼻から出血します。
サルダールの右ストレートは速くて長く、田中のパンチが届かない、という展開が続きます。
唯一田中のパンチで良かったのはボデブローでしたが、これが大逆転の布石でしたね。
ポイントは完全に取られていたが
各ラウンドの最後1分ぐらいに必ずサルダールは左右ストレートを連打し、しっかりポイントを取りに来ます。
しかし一方の田中も相手の距離で戦って、なかなかペースを握れないながらも、落ち着いて相手の攻撃を裁いて、じっくりチャンスを待っている感じでした。
そして5ラウンド。
サルダールの攻撃は見事でしたね。
まず左ストレートで距離を測り、田中の不用意な左ストレートにかぶせるように打った右クロスカウンターが見事に田中の顎をとらえました。
(左ストレートから右クロスカウンター。いや~お見事)
腰の引けた挑戦者
田中は、少しダメージがあるようでしたが、サルダールの追撃を落ち着いてかわし、何とかこのラウンドをしのぎました。
本来なら倒しに来るはずの6ラウンドですが、その挑戦者の腰が引けており、効果的なパンチを放つことができません。
どうやら相当ボディが効いているようです。
チャンピオンもダメージを感じさせない動きで、サルダールを追いかけます。
そして2分過ぎ。左ボディフックがサルダールのみぞおちあたりにクリーンヒットしました。
(挑戦者はこのぼデイブローが見えなかったそうです。)
予期せぬボディブローは効きますね。無防備のボディの突き刺さったダメージは、見た目以上に深刻でした。サルダールはしばらく立ち上がれないほどでしたから。
それにしても、大逆転KOでした。ここまで、私の採点でもサルダールのフルマークで、6ポイント差でした。
サルダールが飛ばしすぎている感しがしましたし、田中のボディが効果的にヒットしていましたし、田中が常に冷静にボクシングをしていたので、それほど劣勢な印象はなかったのですが、5ラウンドのダウンシーンは結構衝撃的でした。
試合後の田中のコメントを聞いていると、見た目の少しひ弱い印象とは大違い。「なかなか気の強い選手だな」と思いましたし、結構肝が据わってるなと感心しました。
さて、この後は、苦しいミニマム級からおさらばし、ライトフライ級で2階級目を狙うようです。
日本人世界王者のひしめく戦国ライトフライ級での田中の活躍は楽しみですね。
以前のブロクで順位付けした、全く信頼性のないベスト5をもう一度掲載しておきます。
①八重樫東
②田中恒成
③田口良一
④宮崎亮
⑤木村悠