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Sフェザー級10回戦(2015年12月19日)
ニコラス・ウォータース(ジャマイカ)VSジェイソン・ソーサ(アメリカ)
(出典:WOWOW)
26戦無敗のウォータースに対して13連続KO中のソーサ。しかもIBF8位の世界ランカーです。
Sフェザー級の初戦にしては危険な相手を選んだウォータースですが、実績から考えてウォータースの圧勝を疑う人はいなかったでしょう。
内山高志との対戦はWBAの横やりが入って、宙に浮いた形ですが、年内に対戦する可能性は十分考えられます。
そのウォータースがSフェザー級に上げての初戦には、むしろ日本のボクシングファンの方がが注目していたかもしれませんね。
タフで頑丈なソーサ
さすが13KO中のジェイソン。一筋縄ではいきませんでした。
終始試合をコントロールしていたのはウォータースですが、手数と攻勢という点では、頑丈な体つきをしたジェイソンでした。
ウォータースのボディブローは効果的でジェイソンにかなりのダメージを与えていましたが、どうもアメリカではボディブローはあまり評価されないようです。
むしろ、前に出てヒット率は非常に悪いものの、手数の多いジェイソンの攻勢にポイントが流れていました。
また、お互い下がらないボクシングスタイルを貫くため、押し合い、もみ合いの展開が多く、この消耗戦はウォータースには不利に働いたと思います。
4ラウンドにはウォータースのボディでジェイソンが下がる場面が見られ、5ラウンドのウォータースの右ストレートカウンターは結構ダメージがあったはずです。
(この右カウンターは効きました)
ウォータース後半失速
しかし、6ラウンドに入ると息を吹き返したようにジェイソンの執拗な攻撃にさらされ、時折クリーンヒットを許す場面が見られるようになりました。
それでも、試合をコントロールしているのはウォータースで、ジェイソンの強引な攻撃を冷静にさばいていました。
ただ、「ジェイソンを持て余している」という印象はぬぐえません。
ポイントを失ったとすれば8ラウンド以降でしょうね。
クリーンヒットの数ではウォータースが上回るものの、しぶとくて頑丈なジェイソンの手数は止まりません。ウォータースの攻めも回を追うごとに雑になり、パンチの精度も威力も落ちていきます。
最後までウォータースに危ない場面はなく、完勝とまではいかないでしょうが、勝ちは動かないと思いました。(結果は知っていましたが)
ボディブローを評価せず、ジェイソンの攻勢をある程度加味して採点しましたが、それでも96-94でウォータース。ジェイソンの勝ちはあり得ませんね。(普通に採点すれば98-92です。)
今日のウォータースなら内山は後半にKOできそうな気がします。
Sウェルター級10回戦(2015年12月19日)
エリクソン・ルビン(アメリカ)VSアレクシス・カマチョ(メキシコ)
(出典:WOWOW)
この試合はSウェルター級の新星、20歳のルビンのワンマンショーでした。
名前負けの相手は何もさせてもらえませんでした。(アレクシス・アルゲリョ+ヘクター・カマチョ)
初回、サウスポーのルビンの左ストレートから右フックの返しのパンチでダウンを奪います。
フィニッシュラウンドとなった2ラウンドは、カマチョが右を打ってきたところへカウンターで右フック。
ルビンは動きにスピード感はないものの、相手の左ストレートに対するカウンターの右フックを打つ勘の良さは抜群です。パンチも右の方がかなり強そうです。
サウスポーですが構えは硬くて若干ぎこちなく、右が強いところから解説の浜田剛史さんも「本来は右利きかもしれませんね」。
これで13戦全勝10KO。20歳。現在WBC世界Sウェルター級15位にランクしています。
この右フックはかなりの武器になりそうです。すでに世界チャンピオン候補と言われているようですが、来年には実現しそうな気がします。