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ドミトリー・ビボル(ロシア)VSジャン・パスカル(カナダ)
WBA世界L・ヘビー級タイトルマッチ(2018年112月24日)
ビボルは、14戦全勝11KO、27歳。
6度目の防衛戦です。もはや若くして安定王者の貫禄が漂います。安定感ではLヘビー級ではNO.1かもしれません。
パスカルは、40戦33勝20KO5敗1分け1NC、36歳。
まさしく歴戦の雄ですね。
前半はビボルが完璧なボクシングを展開
ビボルのボクシングはいたってシンプルです。左ジャブを突いて、コンパクトなワンツーを放ち、相手のガードが上がったら、強烈な左ボディブローがわき腹をえぐってきます。
パスカルもいきなり大きな右を放ったりと、あの手この手でビボルのパワーに対抗しますが、ほとんどのパンチをビボルに読まれ、徐々になすすべがなくなってきます。
後半パスカルがベテランの味を発揮
8ラウンドに、突然パスカルが大振りのパンチを振り回し、反撃に転じます。最後の力を振り絞った感じですが、それでも1分近く連打が続いたでしょうか。問題は、スタミナの切れたパスカルに、ビボルもむきになって反撃し、かなり体力を消耗したことです。
パスカルはすっかりスタミナを使い切った感じですが、ビボルは完全にペースを乱されてしまいます。ビボルの計算がここで完全に狂ってしまった感じです。
終盤ビボルがペースを乱し失速
ヘロヘロのパスカルは、9ラウンド開始直後、グローブのテープの補修にかなりセコンドが手間取り、そこそこ体力を回復します。一方のビボルは、力んでパンチを振り回しおかげでスタミナを予想以上に消耗し、9ラウンドから明らかに失速します。
一発のカウンター狙いに徹したパスカルに、ビボルは前半とは別人のように攻めあぐね、手数も減って、終盤は安全運転に切り替えます。
これで2回連続判定勝利。物足りませんね。
ちなみに採点は3-0(117-111、119-109、119-109)の大差。
パスカルはこれで引退でしょうね。
それにしても、このクラスのチャンピオンは破格の強豪揃いです。まずは、IBFのアルツール・ベテルビエフ、WBOは、エレイデル・アルバレス、そして、WBCのオレクサンダー・クボジーク。安定感ではクボジークかな~。破壊力はもちろんベテルビエフがダントツです。