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ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)VSアイザック・サラテ(アメリカ)
WBAインターコンチネンタルS・バンタム級タイトルマッチ(2018年11月24日)
アフマダリエフは、4戦全勝3KO、24歳。
アマチュアで315戦、リオ五輪で銅メダルを獲得しています。WBAインターコンチネンタルタイトルを獲得し、わずか4戦でWBA3位にランクインしています。
サラテは、22戦16勝2KO3敗3分け、27歳。WBA15位。
サウスポー同士の対戦です。「わしボク」が悪魔大王と命名したのは、アフマダリエフという名前が「悪魔大王」と聞こえてしまったからです。つまらない理由で申し訳ありません。
さて、解説の浜田剛史さんの、いつもの試合前のコメント「お手並み拝見」といきましょうか。
序盤は「悪魔大王」の速い動きにサラテがついていけず
アフマダリエフは、それほどパンチが速いという気はしませんが、とにかく前後のステップが速く、サラテのパンチはすべてバックステップでかわされてしまいます。そして、素早いステップインでパンチを放ち、サラテは序盤からこのスピードに翻弄され、かなり戸惑っています。
ただ、アフマダリエフのパンチは結構大振りで、特に右のスイング気味のフックは握りが甘く、ややオープンブロー。力強いパンチですが、威力はさほどなさそうな感じがします。
しかし、左のボディブローはかなり威力がありそうで、3ラウンドあたりから、このボディブローが効果的にヒットし、サラテの腰が引けてきます。
中盤から一方的な展開に
中盤は、アフマダリエフのステップが減り、足を止めて強いパンチを放ちます。右ジャブはアマチュア出身らしい綺麗なパンチを打ちますが、フックはいただけませんね。そして、やはり全体的にグローブの握りが甘い感じがします。
何とかペースを変えようと、前に出るサラテですが、アフマダリエフは体幹が強く、サラテが押し負けてしまいます。
その後も、「悪魔大王」は好き放題にパンチを放ち、サラテのパンチはほとんどヒットしませんし、手数も圧倒的に少なく、一方的な展開になってきます。
7ラウンドあたりから、アフマダリエフは完全にKOを狙って、強引にパンチを打ちこんでいきます。KO負けのないサラテの打たれ強さもあるでしょうが、倒れても不思議がないようなパンチがサラテの顎やボディにヒット。しかし、体勢を崩すだけで、サラテはダウンを拒否し続けます。
最後はレフリーがストップ
終盤は、もう何時止めてもいいような展開が続きますが、サラテは柔らかいボディワークで、とどめのパンチを何とか外し、ヒットはしないものの、手を出し続けます。
レフリーもなかなか止めるタイミングが難しく、8ラウンド終了時点で、ギブアップするかと、思いましたが、試合は続行されます。
恐らく、一方的になったところで止めるということかな。そして、9ラウンド中盤にようやくそのシーンが訪れ、ワンサイドゲームに終止符が打たれました。
勝った「悪魔大王」は最新のランキングでWBA1位にランクアップしています。おそらく、来年中には世界戦が実現するでしょうね。でも、パンチの打ち方が変則的で、ややオープン気味でしかも握りが甘い。これを矯正しないと世界のトップには通用しないと思います。
ただ、素早いステップと好戦的なボクシングは、なかなか魅力的ですし、なんといってもあの浜田さんが試合後「合格点!」を付けたんですから、「わしボク」の見る目は、またもや大間違いかもしれませんね。