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Sミドル級10回戦
村田諒太VSガストン・アレハンドロ・ベガ(アルゼンチン)
(出典:フジテレビ)
この試合はキャッチウエイトで162ポンド(73,5キロ)契約だったにもかかわらず、村田はミドル級のリミット160ポンドに仕上げていました。
不思議ですね。なぜこんな中途半端なキャッチウエイトで契約するのでしょうか。おそらく相手のわがままを受け入れたんでしょうね。
相手探しに苦労しているのでしょう。
最初に決まっていた選手には調整不足を理由に断られていますから。
しかしこの選手は明らかに力不足という感じです。調整も万全ではないでしょう。
昨年は2試合して2敗。戦績36戦24勝10KO10敗1分1無効試合。明らかに下り坂の、村田のKOの餌食になるために迎えられたボクサーですね。
ダウンを奪ってからの攻めが雑
この日の村田のジャブは良かったです。ダメージを与えるというよりは、距離の測定をするために打っている感じがしました。
2分過ぎに得意の打ち下ろしの右ストレート(実は右フック)を相手の首の後ろ辺りに決めて最初のダウンを奪いました。
まだ距離感が完全ではありませんでしたね。
(右ストレートというよりは打ち下ろしの右フックですね)
問題はここからです。
明らかに倒しに行きましたが、攻めが雑で、いきなりの右ストレート、右フックを強引に振り回し、そのほとんどが空回りし、逆に相手の右フックをもらう始末。
(雑な右を空振りしてベガの右フックをもらう)
攻めている途中で村田が苦笑いしていたのは、左を忘れて距離の測定ができていないことに気が付いたからでしょうか。
2ラウンドは左で距離をコントロール
2ラウンドに入るとすぐに修正。このあたりはさすがです。
左ジャブで距離を見極め、思い切り右フックを打ち下ろして、ダウンを奪いました。
(左で距離を測り、右を思い切り打ち下ろす)
今度は強烈に顎をとらえましたので、ベガは立ってきませんでした。
スタジオで具志堅用高さんが、村田の足を左した右ストレートの打ち方を解説していましたが、私はこの村田の右は絶対フックだと思います。
そして打ち抜くというより「こする」という表現の方がしっくりします。相手が背の低い選手ということもあるとは思いますが、もう少し手応えのあるボクサーには通用しないような気がします。
ターゲットはサンダース
今年中に世界挑戦を目指している村田のターゲットは、どうやらビリー・ジョー・サンダース(イギリス)のようです。
昨年12月、逆転KOキングのアンディ・リーに無難に判定勝ちし、WBO世界ミドル級のタイトルを手に入れています。
アンディ・リーからダウンを奪っていますが、リーにとってはこれはいつものこと。ここで慌てて倒しに行くとリーのカウンター餌食になってしまいますが、サンダースは慎重に対応したようです。
後半盛り返した不死身のリーでしたが、残念ながら2-0のマジョリティデシジョンで2度目の防衛に失敗しました。
23戦23勝(12KO)。ゴロフキンやダニエル・ジェイコブスに比べるとパンチの怖さはなさそうですが、それでも村田がそう簡単に勝てる相手ではありません。
村田はぜひ、デビッド・レミューやハッサン・ヌダン・ヌジカムあるいはピーター・クイリンあたりと一度対戦してほしいですね。このあたりに勝てるようだと、世界が見えてくると思います。