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田中恒成(畑中)VSロニー・バルドナド(フィリピン)
フライ級10回戦(2018年3月31日)
(出典:TBSチャンネル)
田中は10戦全勝6KO、22歳。ミニマム級、ライトフライ級の二階級を制覇し、さらに三階級制覇を狙っています。今回はその前哨戦となります。
バルドナドは、11戦10勝7KO1分け、22歳。WBO13位。
前哨戦の相手としては、かなり危険な感じがしますね。
強烈なスイングで迫るバルドナド
ゴングが鳴ってすぐ、バルドナドが前に出てプレッシャーをかけ、左右のロングフックを思い切り振りまわしてきます。
田中は下がりながら、冷静に相手の動きをみて、コンパクトなパンチを返します。
しかし、ブンブン振り回すバルドナドのスイングパンチは、相当威力がありそうです。まともにもらえば、ひとたまりもなさそうな勢いですね。
田中の動きは、フライ級でも変わりなく、パンチは力強さを増したような気がします。
スピードも申し分なく、バルドナドのパンチをもらうことはありません。
2回には強烈なワンツーをヒットします。
(田中のワンツーがバルドナドをとらえます)
3ラウンドの田中の攻撃は圧巻でした。
バルドナドはこの連打をノーガードで受け、ダウン経験のないタフネス差をアピールします。でもこれは下手をすると、レフリーにストップされる行為ですよ。
強烈なボディブローでダウンを奪う
田中のコンビネーションは見ていて気持ちがいいですね。下から上、上から左ボディブローと上下の打ち分けが上手く、打ち終わりを狙うバルドナドのスイングはしっかり外します。
特に左ボディブローは効果的です。
そして4ラウンドに、そのボディブローがバルドナドのわき腹をえぐり、ダウンを奪います。
(左ボディブローがバルドナドのわき腹をとらえます)
(並みのボクサーならこれで終わっていたでしょうね)
これは立てない、と思いましたが、カウント9で立ってきました。
その後の田中の猛攻もしのぎ、ラウンド終盤にはバルドナドが反撃してきました。
なんとかKO負けを回避しようとするバルドナド
ゴーサインの出た5ラウンドは、田中が猛攻をかけます。
しかし、バルドナドも負けずに、パワフルな左右のパンチを振り回して、反撃します。
田中もここは下がらず打ち合いに応じます。
田中のパンチに滅多打ちにされながらも、バルドナドは倒れません。
本当にタフです。よく見ると、田中のパンチを柔らかい体で殺し、深刻なダメージを回避していますね。
6ラウンドは、さすがに打ち疲れた田中の手数が減ってきます。
中盤からは前に出ていたバルドナドが下がり始め、7ラウンド辺りから、明らかに倒されまいと、フットワークを使って、田中の攻撃をかわし出します。
もう、完全に逃げ腰です。しかし、起死回生の逆転を狙って、時折スイングパンチを振り回してきます。
田中がこれを一発もらって、ひやりとしたシーンもありました。
逃げる相手を倒すのは難しものです。
しかし、9ラウンドの後半に、田中の右フックがバルドナドをとらえます。
(田中の強烈な右フックがバルドナドの顎を打ち抜きます)
これはかなり効いたようです。
そこから田中が連打で追いかけ、ロープに詰めたところでレフリーがストップしました。
まあ、すでに勝負の行方は決まっていましたから、このストップは仕方ありませんね。
さて、次はいよいよ世界戦です。
順当なら、WBOの木村翔(この日のテレビ放送でゲスト解説をしていました)に挑戦することになりそうですね。
パワーアップした田中が、後半に倒してタイトルを獲得するような気がします。
田中はWBCでも1位にランクアップしたようですので、比嘉大吾に勝ったクリストファー・ロサレスもターゲットになります。
万全ではない比嘉に勝ったロサレスの実力は未知数ですが、怖さはないですね。
田中なら倒せると思います。