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ルイス・コラーゾ(アメリカ)VSクドラティロ・アブドカホロフ(ウズベキスタン)
ウェルター級10回戦(2019年10月18日)
コラーゾは、46戦39勝20KO7敗、38歳のサウスポー。WBC31位。
元WBAウェルター級チャンピオン。2015年にキース・サーマンにTKO負けして、しばらくブランクを作りましたが、2017年に再起戦をKOで飾り、地道に世界戦線再浮上を狙っています。
アブドカホロフは、16戦全勝9KO,26歳。IBF1位。
今年の3月に、小原佳太とIBF世界ウェルター級タイトルの挑戦権をかけて対戦し、判定勝ちしています。
試合経過)
1R)手数でアブドカホロフだがコラーゾのボディワークもうまい
積極的に打って出たのは、アブドカホロフです。コラーゾもボディワークを使って、これをかわし、反撃に転じます。コラーゾの動きは意外と軽いですね。アブドカホロフは、サウスポーのコラーゾとの距離感がつかめていません。
ラウンド中盤、アブドカホロフ(何とも言いにく名前ですね。以下、アブドでご容赦ください。)の右フックがコラーゾにヒットしました。アブドはやはり手数が多いですね。しかし、ほとんどのパンチが、コラーゾの巧みなディフェンスに阻まれています。
2R)クリーンヒットではアブドカホロフ
コラーゾが前に出ます。しかし、先に手を出すのはアブドです。それでも構わずコラーゾが前に出てプレッシャーをかけます。アブドは下がりながらパンチを放ちますが、コラーゾはボディワークでクリーンヒットをあまり許しません。ラウンド終盤、アブドの右がコラーゾの顔面をとらえました。
3R)コラーゾのプレッシャーが強い
コラーゾが左目の上をカットしましたね。この回も前に出るのはコラーゾです。アブドのパンチはほとんどガードの上です。それでも少しずつ右ストレートがコラーゾの顔面をとらえるようになってきました。
ラウンド中盤、お互いのパンチが交錯します。両者とも何発かパンチを被弾しています。追いかけるコラーゾにアブドは右のカウンターをヒットしますが、コラーゾの前進は止まりません。コラーゾはパンチを殺すのが上手いですね。さすが元世界チャンピイオンだけのことはあります。
コラーゾはガードを下げて、ガンガン前に出ます。アブドは押されながらも、コンパクトなパンチを返しています。コラーゾのディフェンスが少しずつ雑になってきた感じです。
4R)コラーゾのプレッシャーが弱まる
コラーゾのプレッシャーはやや弱まり、至近距離での打ち合いで、アブドのパンチが結構コラーゾにヒットします。コラーゾが右ジャブを突いて間に出ると、アブドは左にスイッチして応戦します。
この回あたりから、コラーゾの動きに、序盤ほどスピードがなくなってきた感じがします。口が開いています。それとパンチの打ち方も雑になってきましたね。
5R)前に出るコラーゾだが手数が少ない
アブドが頻繁にスイッチします。前に出るコラーゾに、下がりながら軽いパンチをヒットしています。相変わらずアブドの手数は衰えません。逆にコラーゾの手数は減ってきました。手数ではアブドですが、なかなかコラーゾの前進を止めることが出来ません。この回もずっと前に出ていたのは、コラーゾです。このあたり、アブドは見栄えが悪いですね。
6R)追いかけるコラーゾ、でも手数はアブドカホロフ
コラーゾがガードを上げて前に出ます。アブドは相変わらず下がりながら、コンパクトなパンチを放ちます。そして、ややガードの甘くなったコラーゾに、強いパンチを打ちこみ始めました。
それでも、コラーゾの前進は止まらず、アブドはバックステップを踏みっぱなしです。何度も言いますが、これは見栄えが悪いですね。ただ、追いかけるコラーゾは、残念ながら手が出ていません。
7R)ようやく手数が増えてきたコラーゾ
コラーゾはガードを高くして、プレッシャーをかけます。なかなかきびきびした動きです。そして、アブドをコーナーに詰め、左から右の返しのパンチをヒットさせます。この回は、コラーゾの右フックが結構ヒットしてます。
しかし、中盤あたりからコラーゾのガードが下がり始めます。それでも、この回は、今までで一番手数が出ています。アブドもコンパクトなパンチを返しますが、やや押され気味です。
8R)コラーゾが盛り返す
コラーゾが右ジャブを突いて前に出ます。解説陣は「コラーゾが左を痛めたのでは?右がよく出るのはそれが原因」。そういえば、前の回から右のパンチが多くなりました。コラーゾも頻繁にスイッチしながら、前に出てパンチを放ちます。この回も手数が多いですね。
ラウンド中盤、コラーゾがまたさらにプレッシャーを強めて、アブドをロープに詰め、右フックを放ちます。アブドは終始、下がりっぱなし。追いかけるコラーゾの左ストレートが、アブドの顔面をとらえました。コラーゾが盛り返してきましたね。
9R)1ラウンドから全く同じ展開
コラーゾが右ジャブをフリッカー気味に放って、前に出ます。アブドはいきなり飛び込んで右を打ち込みます。コラーゾの動きは、ほとんど変わっていませんね。どうやらアブドの下がりながらのパンチは、コラーゾにほとんどダメージを与えていないようです。
コラーゾのプレッシャーは、相変わらずです。アブドも相変わらず、下がりながらコンパクトなパンチを返します。この展開は1ラウンドから変わっていません。
ラウンド終盤、コラーゾが強引に前に出て、パンチを放ちますが、やや雑です。下がりながら打つ、アブドのショートパンチの方が、的確にヒットしています。
10R)残り38秒で試合がストップ
やはりコラーゾは、左手を振っていますね。痛めているのは間違いないようです。前に出るコラーゾにたいして、アブドは飛び込んでいきなり右を放ちます。アブドはスイッチしながら、右アッパーをヒットしました。
コラーゾがアブドをコーナーに詰めて、右の相討ち。しかし、お互いパンチが軽いのか、ダメージは全くなさそうです。今さらなんですが、アブドはアウトボクシングが下手ですね。フットワークがぎこちなくて、どうしても押されているように見えます。
そして、残り1分ぐらいのところで、バッティングがあり、コラーゾが倒れて立ち上がれなくなります。何とか立ち上がったコラーゾの出血がひどく、残り38秒のところで、試合がストップされました。
負傷判定となりました。3-0(99-91、97-93、98-92)でアブドカホロフが、チューンナップ試合を制しました。
しかし、IBF王者のエロール・スペンスが、交通事故でいつ復帰するか分かりません。普通なら、暫定王者決定戦が行われるところですね。もう一度小原佳太と決定戦をやりますか。