目次
ダニエル・ローマン(アメリカ)VSモイセス・フローレス(メキシコ)
WBA世界S・バンタム級タイトルマッチ(2018年6月16日)
(出典:WOWOW)
ローマンは、26戦23勝9KO2敗1分け、28歳。
2017年9月に久保隼にTKO勝ちしてタイトルを獲得し、2018年2月には松本亮を翻弄し、大差の判定勝ちで初防衛に成功しています。
フローレスは、27戦25勝17KO2NC、31歳。WBA暫定チャンピオン。
昨年6月にギジェルモ・リゴンドーと対戦。ゴング後のパンチでダウンし、ノーコンテストになっています。
速報)2試合とも後味の悪いKO決着。アンドレ・ウォードVSセルゲイ・コバレフ&ギジェルモ・リゴンドー防衛戦VSモイセス・フローレス
暫定王者のフローレスは、体重オーバーで断定タイトルを剥奪されてます。
体重オーバーは最近、もう日常茶飯事になっていますが、「わしボク」が驚いたのはファイトマネーです。
ローマンは、本拠地アメリカでの試合で、しかも暫定王者との統一戦にも関わらず、わずか5万ドル(約550万円)ですよ。フローレスは3万ドル。体重超過の罰金を払ったら、ほとんどタダみたいなものかもしれませんね。
前半はローマンがぎこちないフローレスを翻弄
フローレスのフットワークはぎこちないですね。とてもプロのボクサーとは思えないほど、ぎくしゃくしています。しかもパンチは大振りで、難なくローマンにかわされていまします。
ローマンは、フローレスのパンチを警戒し、しばらく様子を見ていましたが、それほどスピードがないとわかると、コンパクトなパンチで、前に出てプレッシャーをかけるフローレスを捌きます。
それでも、フローレスはガンガン前に出てパンチを放ってきます。
ローマンは、ボディブローを中心に、応戦します。しかも、上下の打ち分けが上手く、あらゆる角度からパンチを繰り出します。
フローレスのパンチは、ほとんどローマンの堅いガードに阻まれ、クリーンヒットしません。
ローマンのこの地味なボクシングは、アブネル・マレスに似ていますね。パンチが非力なところはそっくりです。
フローレスの馬力にローマンが押される
このままローマンがペースをつかみ、松本戦のようにフローレスを翻弄するかと思われましたが、フローレスは予想以上にスタミナがあり、持ち前の馬力でローマンが少し押され気味になります。
フローレスの打ち終わりを狙い、ローマンがコンパクトなパンチをヒットさせますが、パンチの威力はフローレスに軍配が上がります。
ローマンのパンチがクリーンヒットしても、フローレスの前進を止めることが出来ません。
終盤はさすがにフローレスも失速
9ラウンドにローマンの左ボディブローがカウンターでヒットし、フローレスの動きが止まります。
重いフローレスのストレートも、パンチが流れるようになり、11ラウンドにローマンの右フックで大きくよろけます。
しかし、これがパンチの威力でよろけたのか、ギクシャクした足の運びのせいなのか、何とも分かりにくいボクサーですね。
フローレスは、ローマンのパンチをもらいながらも、最後まで前に出て手を出します。不思議なボクサーです。
判定は、どうしても体重オーバーしたフローレスに対して厳しくなるのは、仕方がないでしょうね。
3-0(116-112、118-110、120-108)でローマンが2度目の防衛に成功しました。
120-108は、完全にペナルティ採点という感じがします。「体重オーバーしたら、判定では勝てない」という制裁もいいかもしれません。
負けたフローレスは、ボクシングマガジン誌にも書いてありましたが、世界戦のチャンスはもうないでしょうね。
地味なローマンも、こんなボクシングではファイトマネーが低迷しそうです。
WBO王者のアイザック・ドグボーとの対戦も計画されているようですが、少しファイトマネーをはずめば、また日本にきますよ。和氣慎吾ならもう少し面白い試合が期待できそうです。