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オレクサンダー・グボジーク(ウクライナ)VSアルツール・ベテルビエフ(ロシア)


WBC・IBF世界Lヘビー級王座統一戦(2019年10月18日)
グボジークは、17戦全勝14KO、32歳。WBC王者。
身長188㎝、リーチ192㎝。この選手が倒れるシーンは想像できないですね。手堅いボクシングをするハードヒッターです。
ベテルビエフは、14戦全勝14KO、34歳。IBF王者。
身長180㎝、リーチ185㎝。とにかくガンガン前に出て、倒しに行く「わしボク」一押しのファイターです。
試合経過)
この二人が激突するなんて、ボクシングファン垂涎のカードですね。最近、やや不安定な試合が目立つベテルビエフだけに、グボジークは難敵です。おそらく、安定感のあるグボジークが、判定で全勝をキープすると思います。ベテルビエフが強引に倒しに行くと、KO負けも十分考えられますね。(試合前の「わしボク」の予想です)

1R)終盤にグボジークが倒される?
早くもベテルビエフが、積極的に打って出ます。グボジークはジャブを突いて距離をとります。スマートな体型のグボジークに対して、ベテルビエフはいかにも頑丈そうな体つきをしています。
ステップワークを使って、グボジークが右をヒットしました。ベテルビエフは、ジャブを突いて、何とか距離を詰めようとしています。グボジークはフットワークを使って左右に動き、ワンツーを放って距離をとります。
残り5秒のところで、ベテルビエフが強引に距離を詰め、もみ合いの中で左フックを2発ねじ込むように打つと、グボジークはバランスを崩したようにダウンします。スリップに見えましたが、レフリーはダウンを取ります。

しかし、コミッション席からの進言で、スリップと判定が覆りました。
2R)ベテルビエフの右がヒット
グボジークは、左ジャブを突いて距離をとります。ベテルビエフはなかなか中に入れません。しかし、徐々にベテルビエフが距離を詰めていきます。ベテルビエフのプレッシャーが強くなり、接近するとコンパクトなパンチを放ちます。
ラウンド終盤、ベテルビエフの打ち下ろすような右がヒット。まだ、クリーンヒットではありませんが、グボジークが少しずつ押され気味になってきました。そして、残り20秒、ベテルビエフのオーバーハンドの右がグボジークの顔面をとらえます。足をばたつかせ、やや効いた感じのグボジークは、クリンチで追撃を回避します。
3R)ベテルビエフがペースをつかむ
ベテルにエフが左ジャブを突いて、前に出ます。グボジークはやや押され気味で、もたついて見えます。1分過ぎに、グボジークのロングの右ストレートがベテルビエフをとらえますが、少しずつベテルビエフが自分の距離をつかみつつあります。離れても、グボジークのパンチを軽くステップバックでかわし、ステップインしてワンツーを放ちます。グボジークのパンチが、だんだん当たらなくなってきました。それと、パンチのパワーが違うような感じがします。
4R)手数はグボジークですが
グボジークが先に手を出します。しかし、ベテルビエフがこれを余裕を持って捌き、反撃に転じます。グボジークは左ジャブを突いて、ベテルビエフの前進を止めようとします。
ラウンド後半になると、ベテルビエフがプレッシャーをかけて前に出ます。ベテルビエフは前の回ぐらいからガードを少し下げ、パンチを打ちやすくしている感じです。グボジークの左ジャブをもらっても、構わず前に出ます。グボジークはベテルビエフの前進を止めようと、必死にワンツーを放ちますが、パンチに威力がありません。ベテルビエフは接近して、左ジャブから左右のフックを叩き込みます。
5R)手数はグボジークだが、余裕があるのはベテルビエフ
グボジークが左ジャブを突いて前に出るところへ、ベテルビエフが軽く右クロスをヒットさせます。ベテルビエフは、パンチ力だけでなく、テクニックもなかなかのもです。先に手を出して、手数で優位に立とうとするグボジークですが、ベテルビエフも打ち終わりを狙って、パンチを返します。
ラウンド後半になると、ベテルビエフが左ジャブから、巻き込むような右を放ちます。グボジークも左右のフックで応戦しますが、パワーが違いますね。
ラウンド終盤、ベテルビエフのボディが何発かヒットし、グボジークは少しこれを嫌がっている感じです。
6R)終盤にグボジークの右ストレートカウンター
グボジークのワンツーも軽くヒットしていますが、ベテルビエフはお構いなしに左右のフックを叩き込みます。残り2分強のところで、ベテルビエフの右ストレートがグボジークのボディをとらえ、グボジークがやや腰を落とします。このボディブローで、グボジークが後退します。ジャブの突き合いでも、ベテルビエフは負けてないですね。
グボジークも必死で応戦しますが、ベテルビエフの前進は止まりません。グボジークは、ちょっと苦しくなってきましたね。
終盤は、グボジークがベテルビエフの打ち終わりを狙って、パンチを放ちます。そして、残り15秒、グボジークの左ジャブがヒットし、右ストレートのカウンターが相討ちになります。これは、足をばたつかせたベテルビエフにダメージがあったようです。この後もグボジークの右ストレートがまたヒットします。
7R)グボジークが立て直す
グボジークの動きが良くなったように見えます。左ジャブを突いて、ベテルビエフをコントロールしています。中盤辺りから、またベテルビエフが腰を落として前に出ますが、グボジークも応戦します。ベテルビエフはボディブローを狙っていますが、攻撃がやや雑になってきた感じです。
8R)グボジークにリズムが戻る
ベテルビエフがガードを下げて前に出ます。そして、左フックから右ボディブローがヒットします。しかし、ベテルビエフもグボジークのカウンターを警戒して、なかなか思い切ってパンチを打ちこめません。ラウンド終盤は、グボジークの手数が増え、リズムが戻ってきた感じがします。ベテルビエフは、狙いすぎか、手数が減ったような気がします。
そして、残り15秒。ベテルビエフが左ジャブをヒットし、右を打ち込んだところへ、グボジークが相討ちで右ストレートをヒット。どちらも大きく後退します。急所に当たれば、どちらかが倒れていたでしょうね。
9R)グボジークはボディが効いて窮地に
ベテルビエフが前に出ます。そして、1分弱のところで、ベテルビエフの右ストレートがグボジークのボディをとらえ、ややグボジークの腰が折れます。ちょっと効きましたね。
中盤ぐらいから、少し、グボジークの動きがとまった感じがします。ベテルビエフがガンガン前に出てきます。グボジークは必死にクリンチで逃げます。グボジークの顔が苦しそうです。そして、またベテルビエフのボディブローがヒットすると、グボジークはたまらずクリンチ。
残り1分は、ベテルビエフの上下の攻撃で、グボジークが完全に押されて、右ボディブローから左右のフックを顔面にヒットし、さらにアッパーを打たれ、グボジークは窮地に立たされます。クボジークは完全にボディが効いていますね。腰が引けて頭が下がったところへ、ベテルビエフが上手くアッパーを放ちます。
10R)グボジーク力尽きる
グボジークは下がりながら、ベテルビエフの打ち終わりを狙います。何とか立て直そうとしていますね。しかし、ベテルビエフの前進を止めることはできません。接近して、左右のパンチをヒットします。スリップダウンしたグボジークは、もう足に力が入らない感じです。
ベテルにエフは、細かいパンチをヒットし、グボジークを追い込みます。そして、接近戦でコンパクトな連打を叩き込むと、グボジークはたまらず膝をついてダウン。


すぐに立ってきたグボジークに、ベテルビエフが猛然と襲い掛かります。左ストレートから右オーバーハンドで押し倒されるように、グボジークがダウンします。


また、すぐに立ってきたものの、ベテルビエフの追撃に防戦一方となり、力尽きるようにダウンし、レフリーがついに試合をストップしました。


10R2府49秒TKO勝ちで、ベテルビエフが統一王者となりました。
勝敗の決め手は、パンチ力の差でしょうね。さて、ベテルビエフ、次はドミトリー・ビボルそれともカネロですか?