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ルイス・アリアス(アメリカ)VSアリフ・マゴメドフ(ロシア)
USBA全米ミドル級タイトルマッチ(2017年6月18日)
(出典:WOWOW)
メインの「アメリカVSロシア」対決のアンダーカードでも、「アメリカVSロシア」対決がありました。
チャンピオンのアリアスは18戦17勝11KO1無効試合。27歳。
ロシアの刺客、マゴメドフは19戦18勝11KO1敗。24歳。
IBFのミドル級ランキングでは、アリアスが11位に対して、マゴメドフは7位と、チャンピオンより上位にランクしています。
マゴメドフはWBCでも8位にランクしており、これだけで判断すると、マゴメドフがやや有利かなと思います。
ただ、両社ともKO率が50%ほどで、ミドル級としてはやや低いのが気になりますね。判定決着濃厚の世界ランカー対決です。
ちなみにUSBAはIBFの下部タイトルです。当然勝てばランキングは上昇するでしょうね。しかし、上位にジャーマル・チャーロ、デビッド・レミュー、ダニエル・ジェイコブスがいます。この中に割って入るの至難の業ですね。
序盤から力の差が歴然
1ラウンドは様子を見ていたアリアスでしたが、マゴメドフの戦力を見切ったのか、2ラウンドから積極的にパンチを放ち出します。
右のボディブローがカウンター気味にヒットし、ガードが下がったところへワンツーがマゴメドフの顔面をとらえます。
ラウンド終了間際の右アッパーは、両者のテクニック差を象徴しているように見えました。
(この右アッパーはアリアスが一枚上手と思わせました)
世界ランカー同士で、戦績もよく似た同士ですが、力の差はかなりありました。
ボディブローが効果的にヒット
ボディブローは、顔面ががら空きになり、打つ方にとってはかなり危険を伴うパンチ(解説の浜田さん談)ですが、一枚上手のアリアスはこのボディブローを積極的に打って出ます。特に右ボディはうまいですね。
4ラウンドには早くもマゴメドフが腰を折る場面が見られるようになり、かなりボディが効いてきた感じです。
クリンチの時に右フックのタイミングをはかる
マゴメドフがクリンチして、左腕を抱えているときに、アリアスが何度か打ち下ろすような右フックを放ち、結構クリーンヒットしていました。
この試し打ち?が5ラウンドにさく裂。
今度は少し距離を置いて、狙いすました右フックがマゴメドフの顎をとらえました。そして同じパンチをさらに強振して打ち込まれたマゴメドフはたまらずダウン。これはかなりダメージがありそうでしたが、なんとか立ってきました。
(狙いすました右フック2連発でマゴメドフがダウン)
(コンパクトに腕を折りたたんで打ち込むアリアス)
(ダメージはかなり深刻です)
立ち上がって左ストレート放ち応戦するマゴメドフですが、そのパンチにかぶせるようにアリアスの右フックがまたマゴメドフをとらえました。
足元の定まらないマゴメドフを見て、レフリーが割って入りました。
5RTKOで、アリアスが防衛に成功しました。
(立ってきたマゴメドフにまた右フックを畳み込みストップ)
クリンチ際の右フックの「試し打ち」はあまり褒められませんし、最後の試し打ちパンチは、レフリーのストップがかかってからのパンチでしたから、明らかに反則です。
どうもこの日の試合は、この後味の悪さがついて回りますね。
初回でマゴメドフの力量を見切った、アリアスの能力はかなりレベルが高そうです。
ミドル級は層が厚いですね。