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デビッド・ヘイ(イギリス)VSトニー・べリュー(イギリス)
ヘビー級12回戦(2017年3月4日)
(出典:WOWOW)
デビッド・ヘイはWBO1位をはじめ、各団体の世界ランキング上位に顔を題しています。ヘイにとっては、べリュー戦は世界戦へのステップでしかなかったでしょうね。
30戦28勝26KO2敗、36歳。
トニー・べリューはWBC世界クルーザー級の現在のチャンピオンです。
31戦28勝18KO2敗1分け、34歳。
私としてはそれほど評価の高い選手ではありません。ヘビー級挑戦は無謀だと思っていました。
かなり太い気がするな~ヘイ
体格はほぼ互角で、身長は全く同じ、190.5㎝。
しかし、ヘイの腹回りはかなり肉がついて、がっちりというより、太い!という感じです。
序盤はヘイが体勢を低くして前に出てプレッシャーをかけ、べリューが下がりながら右のカウンターを狙います。
パンチのスピードはひょっとしたらべリューの方が速いかもしれません。
ディフェンスも結構堅い。飛び込んでパンチを放つヘイですが、なかなかクリーンヒットを奪えません。
べリューは相手をよく見て、冷静にヘイの攻撃を対処しています。
6ラウンドに異変が!
それでも、なんとなくヘイのペースで6ラウンドを迎えました。
下がってばかりで手数の少ないべリューが、少し攻勢に出てきました。
そして、迎え撃つ形で大きなパンチを振り回すヘイに、突然異変が起こりました。
確かにべリューのパンチはヒットしていましたが、ヘイがまるで「こけるような」変な体勢でダウンしました。
(べリューが右をヒットしましたが、ヘイはダメージがあってダウンしたような感じではありませんでした)
なんとか立ってきましたが、歩行が変です。そこからのヘイは別人のようにべリューの連打をあびて、もうタジタジの状態です。
クリーンヒットこそ許さなかったものの、一方的な展開になりました。
7ラウンドもべリューの連打にさらされ、ヘイはロープに詰まって動けず、何とかパンチを殺すだけに専念し、全く反撃できません。
もう、ここで止めても良かったと思いますね。
どうやら、6ラウンドに右アキレス腱を痛めたようです。
足にテーピングして戦う
しかし、ヘイは諦めません。なんとラウンドの休憩中に右足にテーピングをして対応します。
(セコンドがヘイの右足にテーピングして応急処置)
ヘイは右足を負傷しているものの、べリューのパンチをまともにはもらっていませんので、上半身には全くダメージがありません。
べリューが不用意に連打すると、結構パワーのあるパンチがカウンターで飛んできます。
べリューは、コーナーに詰めるものの、なかなかそこからフィニッシュに持っていけません。
そこがべリューとヘイの本来の力の差なんでしょう。
動けない足では限界が
テーピングも効果なく、ヘイの足は引きずったままです。
そして、さすがにべリューも10ラウンドは出てきました。ヘイは完全に防戦一方です。レフリーが止めないのが不思議でした。
恐らく、ヘイのディフェンス能力が、べリューのパンチをうまく殺して、決定的なダメージを受けていなかったからでしょうね。
11ラウンドのパンチもべリューのパンチが効いたのではなく、バランスを崩してしりもちをついたという感じでした。
(押し倒されるような感じでヘイはロープの外に転落)
しかし、リング外に落ちてはセコンドもさすがに諦めたのでしょう。
しぶとく立ってきたヘイに、タオルが投入されました。
(立ってきたヘイに、セコンドからタオルが投入されました)
11ラウンド、2分16秒、べリューのTKO勝ちです。
ヘイは少し体重が重すぎたような気がします。それで足に負担がかかったのでしょう。ケガの状態が分かりませんが、36歳ですからね。
勝ったべリューが勘違いして、ヘビー級に転向するかもしれません。
この戦力では通用しませんよ。