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ホセ・ペドロサ(プエルトリコ)VSスティーブン・スミス(イギリス)
IBF世界Sフェザー級タイトルマッチ(2016年4月16日)
(出典:WOWOW)
チャンピオンのペドロサは2014年11月に王座決定戦でマイケル・ファレナスに判定勝ちしてIBFの王座を獲得しています。
ファレナスは内山高志に挑戦し(2012年7月)、負傷引き分けになった選手です。小柄でスピードがあって、ちょっと内山が苦手な相手で、バッティングでストップになるまでは負けていたような気がします。
ファレナスはユリオキス・ガンボアとも対戦し、ダウンの応酬の末判定負けしています。現在もIBF6位にランクしています。
ペドロサはこのファレナスに危なげなく勝ってるわけですから、21戦全勝12KOという戦績は数字だけでななさそうです。
26歳、右構え、これが2度目の防衛戦となります。
スティーブン・スミスはスミス4兄弟の次男です。24戦23勝13KO1敗、30歳、右構え。IBF1位です。
とにかく柔らかいペドロサ
ペドロサはリーチが長く(179㎝)膝の使い方が柔らかいので、独特のフットワークをしています。
しかも、両腕を高く上げて上体を左右に振りながら接近してくるので、スミスはかなりパンチを当てにくそうでした。
左ジャブも速くて的確。いきなりの右ストレートもタイミングの取り方が上手く、2ラウンドに放った右ストレートはかなりダメージがありました。
(ペドロサはスピードとタイミングで倒すタイプ)
ただ、この膝を柔らかく使うフットワークはスタミナを消費するようで、中盤はあまり足を使わず、ガードも下げて左ジャブだけで、スミスの攻勢を捌いていました。
スミスもボディを中心に反撃するのですが、ペドロサの柔らかいディフェンスに阻まれ、ほとんどクリーンヒットしません。
それでも(私は評価しませんでしたが)ジャッジの中には、2~3ポイント、スミスに攻勢点を与えていたようです。
パワーはスミスの方がありますが、パンチの的確さとディフェンスではペドロサが一枚も二枚も上ですね。
右フックでダウンを奪いフィニッシュを狙うが
9ラウンドにまた攻勢をかけてきたペドロサが、左にスイッチした姿勢で右フックを放ちダウンを奪いました。スミスは少し体が硬いですね。
10ラウンドもダメージを引きずったスミスに対して、ペドロサの多彩な攻撃でフィニッシュを狙いますが、終盤はスタミナ切れで、攻めが雑になり、KOを逃しました。
(サウスポーにスイッチして右フックを強打。攻めが多彩です。)
終盤の2ラウンドは、ペドロサがガードを固め守りに入り、そのまま試合終了。
判定はもちろん3-0(117-110,116-111、116-111)でペドロサが防衛に成功しました。スミスは4ポイントも、一体どのラウンドで奪ったのでしょうね。
このチャンピオンはなかなか曲者ですね。パンチ力はさほどないと思いますが、左ジャブは速いし、ディフェンスもうまい。パンチをもらっても柔らかい身のこなしとステップワークでダメージを回避します。
三浦隆司にとってはかなりやりにくい相手ですね。尾川堅一も必殺の右を当てるのに苦労そうです。でも、何とか乱打戦に持ち込みペドロサのスタミナを奪えば、後半にチャンスが巡ってきそうな気がします。