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トゥグッソト・ニャンバヤル(モンゴル) VSクラウディオ・マレロ(ドミニカ共和国)
WBC世界フェザー級挑戦者決定戦(2019年1月26日)
ニャンバヤルは、10戦全勝9KO、26歳。WBC7位。
ラクバ・シン以来の世界チャンピオン候補として、モンゴル期待の選手です。ラクバ・シンは1999年に、畑山隆則さんにTKO勝ちして、モンゴル人初の世界チャンピオンになった選手です。メチャクチャ強かったですね。
マレロは、25戦23勝17KO2敗、29歳。WBC3位。サウスポー。
元WBA世界フェザー級チャンピオンです。
ニャンバヤルのコンパクトなパンチが序盤を制す
体格はほぼ同じですが、マレロの背中の筋肉の盛り上がりはすごいですね。
静かな立ち上がりが動いたのは、3ラウンド。ニャンバヤル(言いにく名前ですね。浜田剛史さんも言いにくそうにしてました)の上下に打ち分けるコンビネーションがヒットし、マレロが反撃してきたところにニャンバヤルの右がヒットし、マレロの足がばたつきます。
サウスポーのマレロに対して、距離が合ってきたニャンバヤルの右ストレートが、結構ヒットするようになってきます。ニャンバヤルは90%と高いKO率の割には、コンパクトにコンビネーションブローを放ちます。一方のマレロは、サウスポースタイルで、やや変則的なボクシングで、パンチも振りが大きく、力みすぎてなかなかクリーンヒットしません。
あの手この手でかく乱するマレロ
ここからニャンバヤルのペースで進むかと思いましたが、マレロはラウンドごとにスタイルを変え、変則的なボクシングでかく乱してきます。ラウンド中も、序盤は強引に打って出たかと思えば、後半は下がりながら巧みなボディワークを駆使し、ニャンバヤルの追撃を許しません。
プロキャリアの少ない正統派ボクシングのニャンバヤルに対して、マレロは、もみ合いながらパンチを打ったり、かなりダーティなボクシングでニャンバヤルのペースを乱します。しかし、10ラウンドに、ブレイク後の加撃でマレロが減点をとられます。
終盤あせるマレロ
この減点でやや冷静さを欠いたマレロは、強引にパンチを放って前に出ます。これをニャンバヤルはうまく左でいなし、マレロの打ち終わりに右ストレートをヒットさせます。終盤は、焦りからやや攻防が雑になったマレロに、コンパクトなコンビネーションブローをヒットさせポイントを奪います。
両者の戦績から、もっとスリリングな攻防を期待しましたが、何とも地味なボクシングでしたね。お互いハードパンチャーというよりも、技巧派ボクサーといえるでしょう。
判定は3-0(114-113、115-112、116-111)でニャンバヤルを支持。「わしボク」はもっと大差で勝っていたと思いましたが、意外と僅差なジャッジもいましたね。ニャンバヤルのボクシングは地味で、クリーンヒットしていなくても、派手な大振りのマレロにポイントが流れたようです。それにしても、最近のアメリカのジャッジはおかしいですよ。