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キース・サーマン(アメリカ)VSホセシト・ロペス(アメリカ)
WBAスーパー世界ウェルター級タイトルマッチ(2019年1月26日)
サーマンは、29戦28勝22KO1NC、30歳。
右ひじの故障で、22か月ぶりの試合です。通算8度目の防衛戦となりますが、直近5試合でTKO勝ちは1試合のみ。それも2015年7月のことです。強打も最近はすっかり湿りがちですね。
ロペスは、44戦36勝19KO7敗1NC、34歳。WBA7位。
7敗していますが、対戦相手はなかなかのものです。サウル・アルバレス、マルコス・マイダナ、ジェシー・バルカス、アンドレ・ベルト。まあ、いずれも負けていますが、現在3連勝中です。
2ラウンドのダウンで終わったと
22か月ぶりのサーマンですが、動きは機敏で、ブランクを感じさせません。
試合は、ロペスが前に出てプレッシャーをかけ、サーマンが下がりながらロペスの打ち終わりにワンツーのコンビネーションを放つという展開です。そして、2ラウンド終盤に、やや前のめりに左フックを放ったロペスにサーマンの左フックがカウンターで決まり、ロペスがダウンします。かなりダメージがありもう少し時間があれば、ここで終わっていたでしょうね。
いつものサーマンなら、3ラウンドにフィニッシュしていたでしょうが、前に出てプレッシャーをかけてきたのはロペスです。大振りのパンチでほとんどサーマンのボディワークにかわされ、ヒットしませんが、構わず前に出てきます。
このままサーマンのペースが続くかと思いきや
その後も試合展開は同じです。ロペスが前に出てプレッシャーをかけながら、強引にパンチを放ち、サーマンがボディワークでパンチをかわしながら、打ち終わりにワンツーやカウンターの右、アッパーと多彩な攻撃を見せます。ただ、ロペスのプレッシャーはラウンドを追うごとに強くなり、サーマンのパンチをもらっても構わず前に出て、パンチを放ってきます。
ややサーマンが押され気味の展開になってきた7ラウンド。ロペスの強引な攻撃に圧倒され、右フックをまともにもらってしまいます。足に来たサーマンにロペスが襲い掛かり、サーマンが連打にさらされます。あわやストップ負けか、と思うほどダメージを負ったサーマンですが、ロペスの打ち疲れに助けられ、何とかこの大ピンチを凌ぎます。恐らくすべてのジャッジがこのラウンドは10-8をつけたと思います。
サーマンがコンパクトなパンチで逃げ切る
常に前に出てプレッシャーをかけ続けるロペスですが、なかなかサーマンはクリーンヒットを許しません。パワーに押されながらも、要所要所でコンパクトなパンチを決めるのはサーマンです。ただ、見た目はかなりサーマンが追い込まれている感じですね。中盤以降は、サーマンのパンチはロペスにほとんどダメージを与えることが出ていないようです。
以前から思っていたことですが、サーマンはウェルター級としてはパワー不足ですね。クリーンヒットでははるかに上回っていますが、終始、ロペスのパワーに押され、劣勢に立たされているようにも見えます。
そんなわけで、判定は2-0(113-113、115-111、117-109)。いくら何でも113-113はないでしょう。一方で117-109の大差。ニューヨークのジャッジはどうなっているのでしょうね。まあ、とにかく、サーマンは復帰戦を勝利で飾り、通算8度目の防衛に成功しましたが、評価は大きく下げました。
「わしボク」ウェルター級世界ランキング
各階級の「わしボク」世界ランキングを作っていこうと思いまして、まずは、手始めに群雄割拠のウェルター級から。
1位 テレンス・クロフォード(アメリカ) WBO王者
2位 エロール・スペンス・JR(アメリカ) IBF王者
3位 ショーン・ポーター(アメリカ) WBC王者
4位 エギディウス・カバラウスカス(リトアニア) WBO1位、WBC4位、WBA4位、IBF11位
5位 ダニー・ガルシア(アメリカ) WBC1位
6位 キース・サーマン(アメリカ) WBAスーパー王者
7位 マニー・パッキャオ(フィリピン) WBA王者
8位 ホセ・べナビデス(アメリカ)
9位 オマール・フィゲロア(アメリカ)
10位 マイキー・ガルシア(アメリカ) WBCライト級王者
10位のガルシアは、エロール・スペンスに挑戦するいうことだけの、ランクインです。