全勝のホープ、マーカス・ブラウンがまさかの王座陥落。一瞬の油断が命取り VSジャン・パスカル

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目次

マーカス・ブラウン(アメリカ)VSジャン・パスカル(カナダ)

(出典:WOWOW)

WBA暫定世界L・ヘビー級タイトルマッチ(2019年8月3日)

ブラウンは、23戦全勝16KO、28歳のサウスポー。WBA暫定王者。

アメリカ期待のL・ヘビー級のホープです。今年の1月に、バドゥ・ジャックに判定勝ちして、暫定タイトルを獲得しています。

パスカルは、41戦33勝20KO6敗1分け1NC,36歳。WBA15位。

2018年11月に、ドミトリー・ビボルに挑戦し、大差の判定で王座獲得に失敗しています。8年ぶりの王座復帰になるでしょうか。

試合経過)

1R)ブラウンが右ジャブで距離をとる

長身のサウスポー、ブラウンが長いジャブを突いて前に出ます。パスカルは飛び込んで右ボディを狙います。ブラウンが左ボディアッパーを放ちます。なかなかタイミングが良かったですね。中盤からパスカルがやや前に出てきます。ブラウンは、左ジャブをついて距離をとります。お互いパンチにスピードがあって、動きも速いですね。

2R)ブラウンが距離を支配

距離を支配しているのは、ブラウンですね。ブラウンが積極的にパンチを放ちます。パスカルは、なかなか距離を詰められません。

2分過ぎ、パスカルが入ろうとしたところへ、ブラウンが左ボディをカウンターで合わせます。この回はパスカルの手数が少ないですね。

3R)ブラウンの左フックでパスカルが腰を落とす

パスカルが強引に前に出てきました。しかし、ブラウンが左ジャブで距離をとり、右ストレートをダブルで叩き込みます。

そして、距離が詰まったところで、ブラウンの左フックがパスカルのテンプルをかすめ、パスカルが腰を落とします。ロープに下がったパスカルにブラウンが襲い掛かります。パスカルはクリンチで逃げます。

またブラウンは距離をとり、パスカルが飛び込んできても、ひらりとかわします。ダメージが回復したパスカルが、また前に出て距離を詰めます。しかし、前に出ても手が出ません。ブラウンの左カウンターが飛んできます。

4R)ブラウンに一瞬の油断

ブラウンが完全にペースを握った感じがしますね。しかし、パスカルは執拗に前に出て、距離を詰めようとします。ブラウンはコーナーに詰まると、ひらりとタイを入れ替え、右ジャブを突いて、距離をとります。

残り約2分。リング中央で、ブラウンがボディへ左ストレートを放った時、距離が詰まり、ブラウンの右フックに合わせて、パスカルの左ストレートがカウンターでブラウンの顎をとらえ、ブラウンが仰向けにダウンします。

(右フックがカウンターでブラウンの顎をとらえる)

すぐに立ってきましたが、足元はふらついています。かなりダメージがありますね。さあ、パスカルが襲い掛かります。距離をとれないブラウンは、クリンチで必死に逃げます。少し回復してきたブラウンはジャブで距離をとり、この回を何とか乗り切ります。

5R)ブラウンがボディブローで反撃

ほぼダメージが回復した感じのブラウンが、また右ジャブを突いて距離をとります。パスカルは、このジャブが邪魔で中に入れません。接近するとクリンチでパスカルの攻撃を阻みます。

2分過ぎ、パスカルのボディブローに応戦した、ブラウンの左ボディブローでパス格の腰が折れます。そして、ロングの左フックがパスカルの顔面にヒットします。パスカルの表情に、ダメージがみられますね。さらにまた左アッパーがパスカルのボディにヒットし、九の字になってコーナーに詰まります。パスカルは、かなり苦しそうな感じです。ブラウンは執拗にボディを狙います。

ただ、ブラウンのボディブローは、かなり低い気がしますね。

6R)ブラウンは執拗にボディ攻撃

ブラウンがジャブを突いて前に出ます。距離が詰まると、クリンチでパスカルの反撃を阻止します。この回、ブラウンはまだ、あまりボディブローを放ちません。

しかし、2分過ぎ、またブラウンの左ボディブローがパスカルのわき腹にヒットし、腰が九の字になります。パスカルも飛び込んでボディブローを放ちますが、バックステップでかわされます。

7R)ブラウン、またもや油断して2度ダウン

お互いジャブの突き合い。しかし、パスカルが接近すると、ブラウンの左ボディブローがカウンターでヒットします。ブラウンはジャブを突いて、左でボディのカウンターを狙っています。ブラウンは、この回、ボディアッパーを多用します。パスカルも飛び込んでボディブローを放ちますが、やや距離が遠いですね。

このあたりから、お互いの頭がちょっと当たりかけます。西岡利晃さんが「頭、危ないですね」。パスカルは距離を詰めてからのパンチが出ません。先にブラウンの左がヒットしています。

残り30秒。ブラウンが大きな左フックをパスカルがダッキングでかわし、返しの左に合わせて、がら空きの顎にパスカルのカウンターがヒットします。ブラウンがまたもやダウンです。不用意な右フックでしたね。

(大きな左フックをダッキングでかわす)
(何とも不用意な返しの右フック)
(4ラウンドのダウンと全く同じ)

立ってきたブラウンですが、足元はおぼつかず、かなり効いています。追いかけるパスカルが、ブラウンをロープに詰めて放った左フックが、ブラウンのテンプルをかすめ、パスカルにしがみつくようにして、膝をつきます。3度目のダウンです。

(このダウンがなければ)

ここはゴングに救われます。

8R)偶然のバッティングで幕切れ

距離をとるブラウンに対して、飛び込んだパスカルの頭が当たりました。パスカルはチャンスなのに、ブラウンのジャブでなかなか間合いを詰めることが出来ません。パスカルは思い切って頭から飛び込んでいきます。ブラウンは距離をとって、ダメージの回復を図っていますね。

そして、ラウンド中盤、パスカルが飛び込んだ時に、また頭が当たります。ここで、ドクターのチャックが入ります。ブラウンの左目の出血が激しいですね。

試合は、ここでストップです。偶然のバッティングですから、負傷判定となります。

判定は、3者とも75-74で、パスカルがタイトルを獲得しました。ダウンを奪ったラウンド以外は、ほとんどブラウンが支配していましたが、3度のダウンは大きかったですね。これは再戦必至でしょう。

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