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アンディ・リーVSビリー・ジョー・サンダース
WBO世界ミドル級タイトルマッチ(2015年12月19日)
(出典:WOWOW)
強いのか?弱いのか?分からない「逆転男」アンディ・リーの真価が問われる防衛戦でしたが、まれにみる凡戦に終わり、攻めてこない相手には全く実力を発揮できない、ただのカウンターパンチャーでしかないことが分かりました。
自分ではボクシングを作れない他力本願型のボクサーです。相手に恵まれて初めてその能力が発揮できるボクサーなんですね。
リーはまたもや序盤にダウン
いつになく消極的で動きの硬いボクシングを展開するリーに対して、サンダースもこれまた手数の少ないボクシングで対抗しますが、的中率の差でわずかに序盤をリードし、3ラウンドを迎えました。
サンダースが自分の距離に詰めてパンチをヒットさせ、右に回り込んで逃げようとするリーにサンダースの右フックがクリーンヒットしました。
(右へ回り込み体制が崩れたリーに右フックがクリーンヒット)
(追撃に右でリーは2度目のダウン)
いつものことながら、リーは「もうこれは立てないんじゃないかな」というような倒れ方をするのですが、これまた「いつものように」平然と立ってきます。
ここで強引にせめて逆転の右フックをもらうのがいつのパターンですが、残念ながら、サンダースの追撃にあえなく2度目のダウン。リーの逆転の右フックは空を切ってサンダースをとらえることができませんでした。
ここからリーの真骨頂のはずが
リーはさすがに深いダメージを負いましたが、何とかこのラウンドをしのぎ、ゴングに救われました。
そして4ラウンド。誰もがサンダースの追撃を期待しましたし、それを迎え撃つリーの「逆転の右フックがさく裂するかもしれない」などと激しい攻防を予想して見守りましたが、見事にそれらを裏切る「お見合い」ラウンドとなりました。
ダメージの抜けきらないリーはひたすらダメージの回復に努め、サンダースはリーの右フックカウンターを警戒するあまり、全くパンチが出ません。
さすがのジョー小泉さんも「このラウンドは10対10ですね。両者全く手を出してませんから、差をつけようがありません」。
お見合いは10ラウンドまで続く
私が見る限りこのあと5ラウンドから10ラウンドまで、両者全くパンチを打っていません。一ラウンドに1~2発ジャブか左ストレートを打っていたかもしれませんが、とにかく手数が極端に少なく、クリーンヒットなんか1発もありません。
不覚にも9ラウンドあたりで私は居眠りをしてしまいました。
さすがにリーはダウンを奪われているだけに、劣勢を挽回しようと、11ラウンドからようやく少しだけ攻勢に出ました。もちろん用心深い「チキン」サンダースは全くパンチを打ちません。打たなければカウンターをもらうことはありませんからね。
サンダースは両手を骨折でもしたのでしょうか?
3ラウンドにダウンを奪ってからは別人のように消極的なボクシングを展開し、とにかくいたずらにラウンドを消化するだけで、全くボクシングの体をなしていませんでした。結果、判定はダウンを2度奪ったサンダースの勝利となりました。
守りは堅そうですがこれだけ「チキンハート」で手数の少ない消極的なボクシングでは、防衛は難しいですね。
村田諒太、こいつなら勝てますよ!
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