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アダム・コウナツキ(ポーランド)VSクリス・アレオーラ(アメリカ)
ヘビー級12回戦(2019年8月3日)
コウナツキは、19戦全勝15KO、30歳。IBF4位。
ボテッとした体つきをしていますが、意外に動きは俊敏で、とにかく手数が多いのが特徴です。30歳はヘビー級ならまだホープと言えるでしょう。
アレオーラは、46戦38勝33KO5敗1分け2NC、38歳。
2016年にワイルダーに挑戦してTKO負けして以来、2年のブランクを作っていますが、再起してからは2連勝中です。
試合経過)
序盤はコウナツキが前に出る
最近のボクシングでは珍しい「ファイター対決」ですね。
先に前に出てきたのは、コウナツキです。初回からガンガン打って出ます。身長はほぼ同じですが、体重はコウナツキが10キロほど重いですね。いずれにしても、120キロ対110キロの巨漢対決です。
始めからもう完全な「どつき合い」ですね。手数はコウナツキが上ですが、アレオーラもコンパクトなパンチを返しています。的確性ではアレオーラでしょうか。お互い体が柔らかいのか、打たれ強いのか、とにかく強烈なパンチをもらっても「ケロッとしています。
下がったら負け?
4ラウンドはアレオーラも前に出て押し返します。コウナツキは下がると、ちょっと力が発揮できないような感じです。しかし、5ラウンドでは、またコウナツキが手数で押し返します。アレオーラも負けじと打ち返します。パンチの威力はアレオーラの方がありそうですが、コウナツキはまともにもらっても、お構いなしにパンチを放ちます。
とにかく、お互いのパンチがクリーンヒットしても、何事もなかったように試合は進行していきます。どちらもガードが甘く、何度もまともにパンチを被弾しています。避けるより、とにかく前に出てパンチを打つことだけを考えて、ボクシングをしている感じです。
アレオーラは左手を痛めた?
6ラウンド終了時点で、解説のジョー小泉さんが「アレオーラは左手を痛めたようです」とコメント。心なしか、7ラウンドのアレオーラはやや手数が減ったような気がします。
もみ合いながらもお互い手は止まりません。しかし、さすがにパンチの威力は落ちてきましたね。ラウンドの前半は、先手で手を出すのはコウナツキです。ワンツーもそこそこスピードがありますね。ラウンド終盤は、アレオーラが反撃します。
コウナツキの手数は止まらない
9ラウンドは、コウナツキのパンチが結構アレオーラの顎にヒットし、ロープ詰まって、アレオーラがややピンチに陥ります。しかし、コウナツキもあと一歩、追いきれません。それにしても、コウナツキは体型に似合わず、スタミナがありますね。それ以上に耐久力が素晴らしい。
11ラウンドは、勝負に出たアレオーラが先手で攻めますが、コウナツキもコツコツとパンチを返し、ペースを譲りません。最終ラウンドは、またお互い至近距離で打撃戦を展開します。終盤は、コウナツキが最後の力を振り絞り、連打を浴びせると、アレオーラも打ち終わりに反撃して、試合終了。
CompuBox新記録
CompuBoxのデータで新記録だ出たそうです。コウナツキの手数が1400、アレオーラが1125で、 ヘビー級 の手数の合計としては、過去34年間のデータでは新記録ということです。
凄いですね、平均するとお互いが、各ラウンドで100発前後パンチを打っていたということになります。村田VSブラントの第一戦でのブラントでさえ、1262発ですから。
判定は、3-0(118-110、117-111、117-111)でやはり手数で上回ったコウナツキが、明確な判定勝ちをおさめました。
コウナツキを倒すのは容易ではないでしょうね。デオンテイ・ワイルダーも下手に倒しに行くと、アンデイ・ルイスに逆転前したアンソニー・ジョシュアの二の舞になるかもしれませんよ。