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田中恒成(畑中)VS田口良一(ワタナベ)
WBO世界フライ級タイトルマッチ(2019年3月16日)
試合は、TBS系で午後4時から全国生中継されるようです。
田中は、12戦全勝7KO、23歳。
木村翔との激闘を制し、3階級制覇を達成しました。
2015年には先日、谷口将隆に判定勝ちしてWBOミニマム級のタイトルを防衛した、ビック・サルダールに6RKO勝ちしています。
田口は、32戦27勝12KO3敗2分け、32歳。WBO4位。
昨年5月に、ベッキー・ブドラーに僅差の判定で敗れ、WBA、IBFライトフライ級タイトルを失っています。今回は階級を一つ上げて、田中の持つWBOフライ級タイトルに挑戦します。
2019年ドリームマッチ2位
「ボクシングマガジン」誌2月号の特集で、「今年中に見たいドリームマッチ国内選手編」で堂々2位にランクされていました。ちなみに1位は井上尚弥VSルイス・ネリです。これは、仕方がないですね。でも、井上VSリゴンドー、井岡VS田中、井上VSドネアなどを押さえての2位ですから大したものです。
まずは体格比較
身長 リーチ
田中 164.7㎝ 161㎝
田口 167.5㎝ 170㎝
田中はミニマム級からわずか3年でフライ級まで上がってきましたが、田口はデビューからずっとライトフライ級で試合をしています。フライ級で戦うのはこれが初めて。このあたりのキャリアの違いがどう影響するのか、気になりますが、やはり、フライ級で2試合こなしている田中が、やや有利な感じがしますね。
身長はさほど差がありませんが、リーチは9㎝田口の方が長いですね。しかし、出入りのスピードのある田中にとっては、この差はさほど問題ではないでしょう。何となくの雰囲気ですが、剛の田中に対して、柔の田口という感じがしていましたが、胸囲は5㎝も田口が上回っていたのには驚きました。
パンチ力
パンチ力は、チャンピオンの田中に軍配が上がりますね。世界戦でのKO率は、田中が6戦して3KO、田口は9戦して4KOとほぼ互角ですが、一発の破壊力ではやはり田中の方が上でしょう。ただ、田中のパンチで田口を倒すのは難しいと思います。
スピード
フットワーク、パンチともにスピードでも田中が明らかに上でしょう。戦略は分かりませんが、仮に田中が距離をとって、出入りのスピードで勝負するなら、田口はベッキー・ブドラー戦の二の舞になりそうです。しかし、田中は「倒しに行く」そうですので、田口にとっては好材料でしょう。
テクニック
ここでも総合的には田中に軍配が上がりますね。スピードほどの差はないでしょうが、パンチの当て勘などは、田中の方が上手いですね。ただ、ディフェンス面では、田口の方が柔らかいボディワークで、相手のパンチを殺すがうまいような気がします。地味なテクニックでは、田口かも。
スタミナ+打たれ強さ
後半に強い田口は、スタミナには自信を持っているでしょう。そしてあの井上尚弥と10ラウンド戦い抜いた実績は、打たれ強さの何よりの証明となりますね。一方の田中は、サルダール戦でのダウンがやはり大きな減点材料です。井村翔戦では後半、消耗戦に持ち込まれてポイントを失っています。
アグレッシブ+パワー
前半から積極的に攻める田中に対して、ややスロースターターの田口。アグレッシブという点では、田中かな。でも、パワーなら田口も負けないでしょう。特に終盤の攻撃はパワフルです。
勝つのはどっち!
恐らく前半から田中が仕掛けていくでしょう。田口はじっくり構えて、後半勝負に賭けるとと思います。田中のパンチで田口が倒れるシーンはどうしても考えられないので、勝負の行方は後半にもつれ込むと思います。
後半のスタミナ勝負では、田口にやや分があるでしょうから、田中は前半でしっかりポイントを稼ぐ必要がありますね。特にボディブローで、田口のスタミナをできるだけ削っておくことが肝心です。
恐らく、終盤はかなり激しい打ち合いが予想されます。この終盤の田口の執拗な攻撃を凌げば、田中が判定で防衛に成功すると思われます。しかし、田中が強引に田口の打ち合いに応じると、思わね結末が待っているかも…。
どっちが勝つか、ということなら、大方の予想通り「田中の判定勝ち」が妥当な結論でしょう。