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デオンテイ・ワイルダー(アメリカ)VSアルツール・スピルカ(ポーランド)
WBC世界ヘビー級タイトルマッチ(2016年1月16日)
(出典:WOWOW)
浜田剛史さんはやっぱりハードパンチャーが好きですね。
群雄割拠のヘビー級にあって、浜田さんの一押しはやっぱりワイルダー、飯田覚士さんはタイソン・フューリーでした。
ちなみに私はアンソニー・ジョシュアです。
まあ順当な線でいくとやっぱりフューリーでしょうね。
ウラジミール・クリチコの長期政権に終止符を打ち、ヘビー級戦国時代の幕を開けた張本人ですからね。
さてワイルダーのこの日の相手のスピルカはポーランド人です。
ポーランドといえばすぐに思い出すのが、アンドリュー・ゴロタです。パンチ力があってなかなか魅力的な選手でした。常に世界のトップに君臨していましたが、残念ながら世界チャンピオンにはなれませんでした。
サウスポーは苦手
スピルカはサウスポースタイルで、パンチもスピードがあり、きびきびした動きをします。
しかも頭を振りながら飛び込んでくるので、なかなか的を絞りにくいようで、ワイルダーの大きなパンチはことごとく空を切ります。
それにしてもこの日のワイルダーはぎこちなかったですね。
スピルカのいきなりの左も、見えない角度から打ってくるのか、序盤は結構被弾していました。
浜田さんが「ワイルダーがこれだけ手数が少ないのは、おそらくサウスポーが苦手なんでしょう」と言う通り、長い左ジャブは時折ヒットするものの、右ストレートは全く距離があっていませんでした。
前半でワイルダーが唯一見せ場を作ったのが4ラウンド。
ディフェンスのうまいスピルカがふっと油断したところに、ワイルダーがきれいなワンツーをヒットしました。
このままだと判定負けも
結果を知っていましたが、それでもこの展開では判定決着になっても不思議はないほど、ワイルダーは動きの速いスピルカにてこずり、捕まえることができません。
むしろ試合はスピルカのペースで進んでおり、ポイント的にも微妙な感じで、私の採点では6ラウンド終了時点で、スピルカが3ポイントリードしていました。
ようやくワイルダーがサウスポーに慣れて、距離をつかんだ感じがしたのは7ラウンドぐらいからです。
長い左ジャブでスピルカを中に入らせず、右ストレートのカウンターのタイミングも徐々にあってきた感じです。スピルカはこの右も警戒して手数が徐々に減っていきます。
ワイルダーはスピルカのパンチも見切ってきたようです。このあたりの適応能力は大したものですね。
狙いすました右ショートカウンター
芸術的なカウンターブローでしたね。
構えた位置からそのまま振り切った、非常にコンパクトな右ストレートカウンターでしたが、上からねじりこむように打つ、コークスクリューパンチで、これ以上ないぐらいのジャストミートでした。
完全に狙いすましたパンチですね。
そしてそのパンチの威力にも驚かされます。倒れたスピルカはまさに大の字。もう立ってこないのは明白でした。ピクリともしませんでした。
浜田さん、大絶賛の破壊力でした。
「やはりパンチがあるというのは大変な強みですね」
構えた位置からテークバックもなくそのまま打ち込んでこられたら、これは避けられないですね。間違いなくワイルダーの必殺パンチのお披露目ですよ。
これでサウスポーも怖くないです。IBFのチャールズ・マーティンはスピルカほどスピードがないので、早い回でこの必殺パンチにの餌食になりそうです。
それではこの必殺パンチを様々な角度からご覧いただきましょう!
(上から)
(この角度からが一番わかりやすいですね。完全に打ち抜いています)
(ワイルダーの方から。全くためのないタイミングだけのカウンターです)
(この構えの位置からそのままの、コンパクトなカウンター)
(スピルカの確度から。完全に打ち抜いています)
さて、これからのヘビー級戦線ですが、ワイルダーはアレクサンデル・ポペトキンと対戦予定です。真価を問われる一戦になりそうです。
ラッキーな勝利でIBFタイトルを手に入れたマーティンはアンソニー・ジョシュアと初防衛戦を行うようです。ジョシュアがよっぽどサウスポーが苦手でない限り、マーティンに勝ち目はないでしょう。