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ジェシー・マグダレノ(アメリカ)VSアデイルソン・ドス・サントス(ブラジル)
WBO世界Sバンタム級タイトルマッチ(2017年4月22日)
(出典:WOWOW)
ノニト・ドネア戦では持ち前の強打ではなく、スピードとテクニックを見せ付けたマグダレノでしたが、この日は一味違いました。
24戦全勝18KO、サウスポーです。
アデイルソン・ドス・サントスは20戦18勝(14KO)2敗、こちらは右構えのオーソドックうスタイルです。
マグダレノがスピードで圧倒
マグダレノのパンチは相変わらず速くてキレがあります。
そして、リーチの長いドスサントスの懐に素早く飛び込み、左右のパンチをヒットします。このあたりの距離感の良さは天性のものですね。
この間、ドスサントスは、マグダレノの速い動きについていけず、ほとんど手が出ません。おそらくサウスポースタイルにも戸惑いがあるのでしょう。
ほぼ右フック一発で勝負あり
2ラウンドに入ると、ドスサントスも左ジャブをついて前に出てきました。
しかし、ラウンド中盤にドスサントスの左に合わせて、マグダレノが得意の右フックをヒットします。
このパンチでサントスの上体が大きく揺れ、明らかにダメージが感じられます。
すかさずマグダレノが追撃し、サントスが早くもダウンしました。
(マグダレノの、この見えない角度から飛んでくる右フックは、かなり怖いですね)
ほぼこのパンチでサントスはもう反撃の力がほとんどなかったといえます。
必死で長いリーチを使い、クリンチで逃げますが、再度右フックを2発叩き込まれ、2度目のダウンを喫します。
サントスは後頭部への打撃をアピールしますが、聞き入れられずレフリーが試合をストップしました。
(決め手になった右フックは2発とも後頭部をヒットしていますが、サントスが頭を下げて避けようとしているので仕方がないでしょう)
(完全に後頭部へのヒットだっただけに少し気の毒ですが)
以前にも書きましたが、カリフォルニア州のルールでは、レフリーストップでも裁定は「TKO」ではなく「KO」となります。
何度も言いますが、私はこのルールに大賛成です。レフリーがテンカウントするのとしないのとで、結果が違うのは絶対におかしいと思います。
打撃による負傷でストップした場合だけ、TKO、で良いと思います。
この日のマグダレノはスピードとともに、パンチ力があることも証明して見せました。
この後頭部に近いところへヒットする、マグダレノの右フックは厄介ですよ。
左ジャブや左フックに合わせて、見えない角度から飛んできますから、慣れないうちに喰ってしまうと、今日のサントスのように全く自分のボクシングをする前に倒されてしまいます。