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ジェフ・ホーン(オーストラリア)VSテレンス・クロフォード(アメリカ)
WBO世界ウェルター級タイトルマッチ(2018年6月9日)
ホーンは、19戦18勝12KO1分け、30歳。
世界的には全く無名だったホーンは、昨年7月にパッキャオに勝って、一躍スターダムにのし上がりました。
パッキャオもまさか負けるとは思わなかったでしょうね。
昨年12月には、無事に初防衛にも成功していますが、魅力的なボクサーとはお世辞にも言えません。
名前だけが先行するホーンの初防衛戦 ↓
パッキャオに勝って、一躍有名人になったジェフ・ホーンだけど、やっぱりつまらんボクサーだった Vゲイリー・コーコラン
クロフォードは、32戦全勝23KO、30歳。元来スイッチヒッターですが、最近の試合ではほとんどサウスポースタイルで戦っています。WBO1位。前4団体統一世界S・ライト級チャンピオン。
言わずと知れたPFP(パウンド・フォー・パウンド)の常連ですね。ロマチェンコやゴロフキンとトップを争う、こちらは正真正銘の「スーパースター」です。
9月に第8回を発表する予定です「わしボクPFP」 ↓
現役世界最強ボクサーは誰だ!(第7回)わしボクが選ぶPFP(パウンド・フォー・パウンド)2018年6月
パワーだけは勝っている?ホーン
リング上で両者が対峙すると、やはりライト級から上がってきたクロフォードは一回り小さく見えますね。
ホーンとしては、パワーで勝負するしかないでしょう。
前に出てプレッシャーをかけ、クロフォードを追いつめます。
しかし、いきなりクロフォードの左のカウンターがホーンの顎をとらえ、ホーンが大きく体勢を崩します。
ホーンの圧力に、クロフォードはやや押され気味ながらも、しっかりホーンのパンチを外し左右のカウンターをヒットします。
序盤でホーンのパンチを見切る
ホーンがプレッシャーをかけ、突っ込むとクロフォードのカウンターが待っています。右フックは絶妙のタイミングで放ちます。
止まると、ノーモーションの左ストレートが飛んできます。
2ラウンドの時点でクロフォードは、距離とホーンのパンチを完全に見切ったようですね。
こうなったらもう、ホーンはなす術がありません。ホーンに残された武器は「頭」ぐらいですね。
クロフォードのすごさは、頭から突っ込んでくるホーンの「頭」もしっかりディフェンスしているところです。
ホーンはサンドバッグ状態
6ラウンドには身体を振って前進するホーンに、クロフォードが珍しくロープに詰まりますが、ロープ際で放つクロフォードのパンチがホーンをとらえ、ホーンのパンチは空を切るばかりです。
せっかくのホーンの工夫も、クロフォードには全く通用しません。
さらにクロフォードのボディブローがカウンターでヒットすると、ホーンの動きが鈍くなります。
ホーンの前進力が弱まると、今度はクロフォードが前に出て、あらゆるパンチを浴びせ、正にサンドバッグ状態。
もう、いつ倒れてもおかしくない展開ですが、ホーンは打たれ強いですね。
試合後半は、ほとんどクロフォードのやりたい放題です。
これだけ打たれたら
8ラウンド後半から、またもやクロフォードの連打にさらされ、ラウンド終盤には、ホーンがダウン寸前に追い込まれます。
9ラウンド。当然、クロフォードが倒しに行きます。
ホーンは前に出ることで応戦しますが、クロフォードの正確なパンチがホーンを狙い撃ちします。
これでもかというほど、パンチを浴びせたクロフォードが、ラウンド後半、左フックでホーンをロープ際まで下がらせ、さらに左フックがテンプルをとらえると、ホーンはようやくダウン。
(左フックでホーンをロープ際に詰め、さらに左フックがテンプルをとらえるとようやくホーンはダウン)
しかし、しぶといですね。ホーンは立ってきましたよ。
さすがのクロフォードもパンチがやや雑になってきた感じですが、左フックがホーンの顎をとらえると、ロープまで下がり、防戦一方になったところで、レフリーがストップしました。
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(左フックがホーンの顎にヒットし、ロープに下がり防戦一方になったところでレフリーがストップ)
9RTKO勝ちで、クロフォードが3階級制覇に成功しました。
クロフォードのボクシングは完璧ですね。非の打ちどころがありません。これだけ欠点の少ないボクサーも少ないでしょう。
無理やり問題点を見つけるとしたら、やはり体格でしょうね。ホーンに粘られたのもそこに原因があるような気がします。
エロール・スペンスとの対決が楽しみですね~。
ちなみに、ウェルター級の「わしボク」ランキング
1位 テレンス・クロフォード
2位 エロール・スペンス
3位 ショーン・ポーター
4位 マニー・パッキャオ
5位 キース・サーマン