目次
フロイド・メイウェザーの穴を埋めるトーナメント
WBCはメイウェザーの引退によって空位になった、ウェルター級の王座をめぐってユニークなトーナメントを計画しています。
まず、ダニー・ガルシア(アメリカ)VSロバート・ゲレロ(アメリカ)でとりあえず、王者を決めます。
そして、レイモンド・ピーターソンVSアンドレ・ベルトでこのタイトルの調整者決定戦が行われます。
一方で、この4人の勝者に挑戦するトーナメントが5人で行われます。
図にすると下記のようになります。
(出典:WOWOW)
王座決定戦 挑戦者決定戦(1回戦)
2位 | 12位 | ||||
ダニー・ガルシア(アメリカ) |
|
勝ち |
サミー・バスケス(アメリカ) | ||
6位 | 23位 | ||||
ロバート・ゲレロ(アメリカ) | 負け | アーロン・マルチネス(メキシコ) | |||
挑戦者決定戦 |
挑戦者決定戦(1回戦) |
||||
4位 | 20位(最近12位へランクアップ) | ||||
レイモンド・ピーターソン(アメリカ) | ミゲール・バリオヌエボ(アルゼンチン) | ||||
5位 | 33位 | ||||
アンドレ・ベルト(アメリカ) | アサエル・コシオ(パナマ) | ||||
|
挑戦者決定戦(決勝) |
||||
10位 | |||||
レイ・ロビンソン(アメリカ) |
1位のアミール・カーンはサウル・アルバレスに挑戦しますし、3位のショーン・ポーターはWBAのキース・サーマンに挑戦が決まっていますので、左側にこの2人を除く上位4人がそろった形です。
(どうやら、キース・サーマンが交通事故でWBAのタイトル戦は中止になるようです)
この日の試合は(バスケスVSマルチネス)挑戦者決定トーナメントの1回戦となります。
勝者はミゲル・バリオヌエボVSアサエル・コシオの勝者と戦い、最後にレイ・ロビンソンとの対戦で王座への挑戦権が決まります。
10位のレイ・ロビンソンはシードされた形ですね。
右側の5人のトーナメントのメンバーは左側の4人に比べると若干手薄な感じがしますが、まあ試みとしては面白いと思います。
サミー・バスケス(アメリカ)VSアーロン・マルティネス(メキシコ)
WBC世界ウェルター級挑戦者決定トーナメント(1回戦)(2016年1月23日)
(出典:WOWOW)
バスケスは解説の浜田剛史さんが言う通り、一見ロマチェンコに似ていますね。
そしていつもの名セリフ「お手並み拝見と行きますか」が出ました。
バスケスはロマチェンコに似ているだけあって、足の運びがよく、動きがスムーズです。一方のマルティネスはガードを固めているだけで、ほとんどパンチが出ず、序盤は完全にバスケスのペースで進みました。
ただバスケスもKO率70%ほどのパンチ力はなく、ガードの堅いマルティネスから、なかなかクリーンヒットを奪えません。
そして6ラウンドが終了してコーナーに戻ったマルティナスの様子が、何だかおかしいのです。首をうなだれてまるで戦意がかじられません。
「もしや」と思いましたが、的中。ギブアップです。
どうやら左ひじを痛めたようです。
なんともつまらない幕切れでした。
マルティネスは、この日のメインの登場するロバート・ゲレロに判定で負けていますが、2-1のスプリットデシジョンというきわどいもの。そしてデボン・アレキサンダーには判定勝ちしています。
この日はその片鱗を全く見せず、いいところなく1回戦で姿を消しました。
勝ったバスケスもクリーンヒットが少なく、パンチ力もこのクラスでは物足りませんね。2回戦の相手はいれにしても格下ですが、苦戦しそうです。
結局、レイ・ロビンソンが挑戦権を獲得しそうな気がします。
ウェルター級トップ戦線
(出典:WOWOW)
改めてウェルター級のトップ戦線を見ますと、ヘビー級に負けず劣らず、群雄割拠という感じです。
キース・サーマンのケガの状態が分からいので、何とも言えませんが、サーマンが戦列を離脱するとなると、私は、ケル・ブルックが一歩抜けているような気がします。