目次
すっかりボクシングが地味になったダニー・ガルシア
(出典:WOWOW ピンクパンサーの衣装は派手なですが…)
WBC世界ウェルター級王座決定戦(2016年1月23日)
ダニー・ガルシア(アメリカ)VSロバート・ゲレロ(アメリカ)
フロイド・メイウェザーの引退に伴い、空位になったWBCウェルター級王座をめぐり、トーナメントが行われることになりました。
このトーナメントは少し変則で、まずガルシアVSゲレロで王者を決め、それから最初の挑戦者を決め防衛戦を行います。
それと並行して5人で決勝進出の挑戦者を決め、最後に「真の王者」を決めよう、という手順になっています。
ややこしそうな(説明が下手で)話ですが、図を見ると簡単ですよ。
詳細は ↓
追うゲレロ、下がるガルシア
さて、王座決定戦に戻りますが、この試合を一言で表すとこうなります。
「追うゲレロ、下がるガルシア」
ゲレロは1ラウンドからずっとプレッシャーをかけ前に出ます。
ガルシアはサウスポーのゲレロとの距離がつかめず、まずは得意の左フックで様子を見ながら、専らロープ伝いに下がる戦法に徹します。
しかし、前半は距離がなかなか合わないのか、ガルシアのカウンターの右フックは空振りが目立ちます。一方のゲレロもパンチの精度が低く、体のパワーと気合はあるものの、クリーンヒットはほとんどありません。動きも鈍いですね。
4ラウンド、5ラウンドは退屈なもみ合いが多く、例によって少しウトウトしてしまいました。
6ラウンドの終了ゴング間際に放ったガルシアの左右フックがクリーンヒットし、やっと試合がピリッとしました。私も目が覚めました。
(この日のガルシアはこの右フックがさえていました)
後半は完全にガルシアのペース
後半も前に出てプレッシャーをかけるのはゲレロですが、ガルシアの右フックがカウンターで再三決まり出すと、どんどん手数が減っていいきました。距離もペースも完全にガルシアが握ってしまいました。
(得意のノールックパンチ)
浜田さんが「ガルシアは相手の顔がどこにあるか、見なくてもわかる」という通り、左右のフックを強振するときは、顔は下を向いて相手を見ていません。
本来ならこのパンチで相手にかなりのダメージを与えるはずなんですが、どうもウェルター級ではあまり通用しないようです。
(得意の左フックもジャストミートしますが)
10ラウンドぐらいからガルシアはゲレロのパンチを完全に見切ったようで、ただ前に出てくるだけで手数がすっかり減ったゲレロに、再三、左右のカウンターをクリーンヒットしていました。スピードも全く違っていました。でも、自分から仕掛けることはありません。
ガルシアの完勝でしたが、物足りませんね~。
完全にただのカウンターパンチャーになってしまいましたね。自分からボクシングを組み立てることができないですし、ゲレロのパワーで消耗したのか、終盤は少し失速気味で、省エネボクシングに徹していたように見えました。
トーナメントの途中経過
さてトーナメントの方ですが、挑戦者決定トーナメントのもう一つの試合はミゲール・バリオヌエボ(アルゼンチン)がアサエル・コシオ(パナマ)に5回TKO勝ちで、2回戦に勝ち上がっています。
したがって挑戦者決定トーナメントの2回戦はサミー・バスケス(アメリカ)VSミゲール・バリオヌエボ(アルゼンチン)となります。
さて真の王者は誰に!
私はレイモンド・ピーターソンのような気がします。