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ジョー・ジョイス(イギリス)VSブライアント・ジェニングス(アメリカ)
ヘビー級12回戦(2019年7月13日)
ジョイスは、9戦全勝9KO、33歳。WBC14位。
リオ五輪銀メダリストで、パーフェクトレコード更新中。33歳ですが、イギリス期待のホープですね。
ジェニングスは、27戦24勝14KO3敗、34歳。WBC23位。
34歳ですが、2度の世界挑戦を経験しているベテランです。
試合経過)
手数でジョイス、スピードとテクニックではジェニングス
198cmの長身ジョイスですが、 ジェニングスの方が 、リーチは10cmほど長いようですね。
その長身のジョイスが左ジャブを突いて前に出ます。ガードの低いジョイスに対して、ジェニングスはガードを高くしています。両者、手数が多いですね。初回は、ジェニングスの左ボディブローが効いたようです。
ポンポンと手数を出して前に出るジョイスに対して、ジェニングスはコンパクトなパンチを返します。ジェニングスの堅いガードに、なかなかジョイスはクリーンヒットを当てることが出来ません。しかも、ジェニングスはスピードがあり、打ち終わりを狙ってきますので、ジョイスも思い切ってパンチを打ちこむことが出来ません。
ジョイスのパワーでジェニングスが押され気味に
4ラウンド終盤、ようやくジョイスが連打でジェニングスを追いつめ、パワーの違いを見せました。
ジョイスは手数とパワーでジェニングスを追いつめますが、ジェニングスのディフェンスと打ち終わりのパンチを警戒して、強いパンチを打ちこむことが出来ません。それでも少しずつ、ジェニングスが押され気味になってきました。
中盤、ジェニングスが盛り返す
ジョイスは、手数こそ多いものの攻撃が単調で、打ち終わりに返してくるジェニングスのキレのあるパンチの方が、見栄えがいいですね。ただ、ジョイスは柔軟な体で、ダメージを殺しています。
勝負どころの10ラウンド
10ラウンドの序盤に、またジェニングスの左ボディで動きが止まったジョイスですが、攻め込んだジェニングスの顔面にジョイスの大きな右フックが決まり、ジェニングスの足がばたつきます。しかし、ジェニングスはここをうまく乗り切り、またボディブローで盛り返します。終盤は、ジェニングスの右フックがジョイスの顎にヒット。一瞬、動きの止まったジョイスですが、タフですね。
ここで、ジェニングスがローブローで減点を取られます。この減点も痛いですが、ややダメージのあるジョイスに休憩を与えたのもかなり「痛い」でしょうね。
終盤手数で押し切るジョイス
息を吹き返したジョイスが、また前に出て手数でジェニングスを追いつめます。ジェニングスも打ち終わりにキレのあるパンチを返します。しかし、ジョイスの方がスタミナは残っているように見えます。
判定は3-0(115-112、118-109、117-110)でジョイスが全勝をキープしました。ジャッジ人はかなり差をつけていますが、これほどの差はなかったように思います。
相変わらず、ジョイスのパンチは、スピードとキレがないですね。世界戦線に浮上するには、かなり時間がかかるでしょう。というか、このあたりがこの選手の限界のような気がします。