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ジェシー・マグダレノ(アメリカ)VSアイザック・ドグボエ(ガーナ)
WBO世界S・バンタム級タイトルマッチ(2018年4月28日)
(出典:WOWOW)
マグダレノは、25戦全勝18KO、26歳のサウスポー。
2016年11月、ノニト・ドネアに挑戦し、判定でタイトルを獲得しています。
昨年4月の初防衛戦以後、ケガなどで1年のブランクを作っています。
ドグボエは、18戦全勝12KO、23歳。
マグダレノの休養期間中、今年の1月に、セサール・ファレスにTKO勝ちして、暫定タイトルを獲得しています。
初回にダウンを奪い格の違いを見せたが
がっちりした体格のドグボエが、初回から前に出てプレッシャーをかけ、左右のフックを放ちます。
マグダレノは、左のカウンターで応戦します。
開始1分半、ドグボエがマグダレノをロープに詰めて連打し、身体が前のめりになったところへ、マグダレノの右がテンプルにヒット。そして、左アッパーをダブルで放つと、ドグボエがあっけなくダウンしました。
(まず右フックがテンプルにヒットし、返しの左アッパーがドグボエの顎をとらえます)
(さらに止めの左アッパーでドグボエがひっくり返りました)
この時点で、ほとんど観衆は「マグダレノの楽勝」と思ったでしょうね。
いつものマグダレノなら、残り1分以上もあるのですから、仕留めていたでしょう。
でも、この日のマグダレノは本調子を欠いていたと思います。
ドグボエは下がりながら、追撃を回避しました。
右が見えていない?
マグダレノはドグボエの右フックを警戒し、まだダメージの残るドグボエを追撃できません。
マグダレノは、ドグボエの右フックがまだ見切れていないようですね。
結局、この回の終盤には、回復したドグボエの連打にさらされます。
4ラウンドの中盤に、マグダレノが左フックをヒットし、ドグボエがロープに下がりましたが、ここも追撃のパンチが出ず、逃げられてしまいます。
(左フックがアッパー気味にヒットし、ドグボエがロープに下がる)
この日のマグダレノはフットワークがなく、ロープを背にする場面が多く、常にドグボエのパワーに押され気味で、何度もコーナーに詰まって連打にさらされます。
マグダレノが仰向けにダウン
5ラウンド開始してまもなく、マグダレノが右を放ち体が流れたところへ、警戒していたドグボエの右フックがマグダレの顎にジャストミート。もんどりうって倒れ、今度はマグダレノがダウンしました。
(不用意な右ジャブをかわされ、右フックをカウンターで合わされます)
カウント8で立ってきましたが、残りまだ2分以上あります。
しかし、さすがマグダレノですね。ガードを固めて、クリンチでなんとかこの回を生き延びます。
ドグボエが右のビッグパンチを狙いすぎたことも、マグダレノに幸いしました。
マグダレノがペースを取り戻す
6ラウンドのドグボエの追撃を何とかかわすと、7ラウンドあたりから、マグダレノがペースを取り戻そうと、勝負に出ます。
マグダレノのボディ攻撃で、ややプレッシャーが弱まったドグボエですが、それでもまだまだ右フックは、一発で倒す威力を持っています。
8ラウンドあたりから、ようやくマグダレノはドグボエの右が見えてきたようで、ペースをつかんだかに見えましたが、スリップダウンが目立ち、足に力が戻っていない感じです。
ここまでの採点はほぼ互角だったのではないでしょうか。
最後にまたドグボエのパワーさく裂
10ラウンド中盤から、ドグボエがプレッシャーを強め、マグダレノをロープに詰めて、連打を浴びせます。
ペースをつかんだ感があった、マグダレノがまた苦しい展開に追い込まれます。
このラウンド終了間際に、ドグボエの右フックがボディにヒットし、マグダレノが腰を落とします。
11ラウンドに、マグダレノが最後の力を振り絞って勝負に出ます。
しかし、ドグボエのパワーが一気にさく裂します。
まず、ややグロッキー気味のマグダレノの顎を、右フックが打ち抜き、さらに返しの左フックで、マグダレノはロープにもたれかかるようにダウン。もう、勝負あったという感じですね。
(この右フックでもうマグダレノは棒切れのような状態になり、さらにはダリフックがテンプルにヒット)
(上の角度から)
(力尽きた感じでしたが)
辛うじて立ってきたマグダレノですが、もう反撃の力は残っていません。
ドグボエがコーナーに詰めて、左右の連打を浴びせると、崩れるようにマグダレノがダウンしました。
レフリーは、ノーカウントで試合をストップ。ドグボエの11RTKO勝ちです。
(コーナーに詰めて左右の連打。このシーンは何回かありましたね)
(マグダレノは精根尽き果ててダウン)
マグダレノはドネアから奪ったタイトルの2度目の防衛に失敗しました。
マグダレノは本調子を欠いていたような気がします。足の動きが悪すぎました。
ドグボエのパワーと破壊力はすごいですね。