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ハビエル・フォルトゥナ(ドミニカ共和国)VSジェイソン・ソーサ(アメリカ)
WBA世界Sフェザー級タイトルマッチ(2016年6月24日)
(出典:WOWOW)
フォルトゥナと仮のスーパーチャンピオン、ジェスリル・コラレスで統一戦を行い、その勝者が内山高志と対戦する、というプランをジョー小泉さんが提唱していましたが、フォルトゥナも番狂わせのTKO負けを喫してしまいました。
フォルトゥナは31戦29勝21KO1分け1NC、27歳のサウスポーです。
ガードを下げ柔らかい体を生かして、上体だけでディフェンスをする変則ボクサーです。私はKO率ほどパンチ力はないと思います。
タイトルを獲得した試合は凡戦で、「内山の敵ではないな」と思いましたが、今日のフォルトゥナはスピードがあり、サウスポーの利点を生かした嫌なボクシングは少し見直しました。
凡戦 ↓
ジェイソン・ソーサは昨年12月にニコラス・ウォータースと引き分け、一気に名前を上げてたボクサーです。
しかし、私にはウォータースの明確な勝利に見えました。
23戦18勝14KO1敗4分け。28歳。右構えのオーソドックススタイルです。
エキサイトマッチでは両者とも165㎝ということでしたが、フォルトゥナは170㎝が正解だと思います。見た目にもフォルトゥナの方が少し高く見えました。
前半は完全なフォルトゥナのペース
スピードで上回るフォルトゥナが序盤からペースを握り、がっちりした体つきのソーサは変則サウスポーの動きについていけません。
ソーサは、前に詰めるものの、フォルトゥナのカウンターや打ち終わりに連打を決められ、完全に翻弄されている感じでした。
4ラウンドにはフォルトゥナは完全にガードを下げ、ソーサの攻撃を見切った感じがありました。
このガードが命取りになったようですね。
西岡利晃さんは「ガードを下げてもある程度はディフェンスできるでしょうが、12ラウンド通して全くパンチをもらわないというのは不可能です」
ジョー小泉さんは「確かにガードを下げるとパンチを打ちやすいの事実ですが」
とそれぞれフォルトゥナのガードを批判。
5ラウンドには左ストレートで幸運なダウンを奪ったフォルトゥナはますます調子に乗ります。
あれ?この試合ソーサが勝ったはずやけど、間違いやったのかな、と思うほど、ここまで、ソーサはいいとことがありませんでした。
(右をヒットし足が引っかかった感じでダウンを奪う)
フォルトゥナがKO寸前まで追い込むが
ダウンのダメージのないソーサが、6ラウンドから反撃に出ます。
7ラウンドには、少しずつ右のタイミングがつかめてきたソーサのストレートがフォルトゥナの顎をとらえました。
しかし、8ラウンドのフォルトゥナの右でソーサの前進が止まりました。見た目以上にダメージがあったのでしょう。
9ラウンドはフォルトゥナが猛攻を見せ、ソーサはダウン寸前まで追い込まれました。
好事魔多し
ここまでは、ほぼ完ぺきにフォルトゥナのペースで試合が進んでいました。
危惧する点は、ガードが低いことと、序盤から少し飛ばしすぎで、スタミナがどうか、の2点ですね。
そして10ラウンド。まさにその2点が大逆転劇を生むことになりました。
フォルトゥナに疲れの色が見え始め、少し気を抜いた瞬間に、右ストレートがヒット。
(この右ストレートは効きました)
追撃の左右フックがヒットすると、フォルトゥナが必至でソーサにすがりついてきましたが、振り払うようにしてソーサがついにダウンを奪いました。
(左から右の返しでフォルトゥナは必死にソーサにしがみつきましたが)
(振り払われるようにフォルトゥナがダウン。ダメージは甚大です)
立ち上がったフォルトゥナはクリンチで何とかこの回をしのぎますが、故意にマウスピースを吐き出したため、減点をとられます。
ジョー小泉さんが「ダメージのある選手に減点をとって休ませるのはかなり問題がありますね。」
海外のレフリーには往々に見られる対応ですね。チャンスを寸断する行為には疑問を感じます。
とりあえずこの回を凌いだフォルトゥナですが、11ラウンドにあっさりつかまります。
開始早々、ソーサの左ストレートでフォルトゥナの意識が富んだ感じです。そして右ストレートから左フックの返しでフィニッシュ。
立ち上がってきたフォルトゥナですが、レフリーが続行を認めませんでした。
(この左でほぼ意識が飛んでいます)
(返しの右をもらったときはもうフォルトゥナの意識はなかったような気がします)
一瞬の逆転劇でした。
再戦したら、フォルトゥナが勝ちそうな気がします。
ソーサのパワーは評価できますが、それ以外には特に目立った能力があるように思えません。内山のとっては戦いやすい相手だと思います。むしろ初黒星を喫したサウスポーのフォルトゥナの方が苦手でしょうね。
ソーサがコラレスに勝つようなことがあれば、内山に十分チャンスがありますね。