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◆ライトヘビー級が熱い!
WOWOWエキサイトマッチ観戦記・22
IBF北米Lヘビー級タイトルマッチ
アルツール・ベテルビエフ(ロシア)VSガブリエル・カンピーリョ(スペイン)
ベテルビエフはアマチュア時代にセルゲイ・コバレフに勝った実績があります。
しかもベテルビエフは7戦7勝7KOで、IBF13位。
対するカンピーリョはなんと1位です。戦績は33戦25勝11KO6敗1NC。
試合が始まる前にジョー小泉さんが「この選手を倒したら大したものです」と、しきりにカンピーリョはそう簡単に倒されるボクサーではないということを熱弁していました。
ところが、1ラウンドからベテルビエフの強打がさく裂。右フックでカンピーリョの体が泳ぎ、その後の連打でまずダウンを奪います。
ちなみにカンピーリョはサウスポーですが、解説の飯田さんが「ベテルビエフはサウスポーを全く苦にしていませんね」と言う通り、スムーズにパンチが出ていました。
手数も多くパワフルで、まるでロマゴンをライトヘビーにしたような、すきのないプレッシャーで、相手を追い詰めます。
これは強い!久しぶりに重量級で本物の強豪を見つけた思いです。
世界1位を圧倒し、そしてまさかの4ラウンド。
ベテルビエフの強打で相手は完全に失神してしまいました。
世界戦ではないので、このパンチは年間最高パンチにはならないでしょうが、びっくりするようなすごい強打でした!
飯田さんが「相手が倒れるのを見ないで背を向けるのは、何ともかっこいいですね!」と言う通り、「お前はすでに死んでいる」的なかっこよさがありました。
これで8戦全勝8KO。久しぶりにすごーい怪物を見つけました。
◆もう一人のLヘビー級
WBC世界ライトヘビー級タイトルマッチ
アドニス・スティーブンソン(カナダ)VSサキオ・ビカ(オーストラリア)
ビカは41戦32勝21KO6敗3分の戦績ですが、今までKO負けは一度もありません。そのタフネスさは驚異的です。
チャンピオンのスティーブンソンは必殺の左ストレートを武器にKOの山を築いています。
前回の防衛線ではぎこちなさが目立ちましたが、今回は柔かく体を使い、必殺の左ストレートもスムーズに出て、「うまくなったな~」と感心しました。
前半は完全にスティーブンソンのペースで、6回には左カウンターでついにビカがダウン。
しかしビカはタフですね。その後もスピードが衰えることなくチャンピオンに向かっていきます。
しかし9回の左フックは深刻なダメージがありました。
ここで倒しに行ったチャンピオンはスタミナを使い、その後ビカの反撃にあいます。
ビカは本当にタフですね。
早くからビカのラフファイトでチャンピオンのスタミナを削れなかったのが敗因でしょうが、スティーブンソンは長い右ジャブをうまく使い、スムーズな左ストレートはかなり磨きがかかっていました。
スティーブンソンはセルゲイ・コバレフと統一戦をやるようですが、勝者はぜひこの怪物ベテルビエフを対戦してほしいですね。