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ジェシー・ハート(アメリカ)VSデモンド・ニコルソン(アメリカ)
NABF北米S/ミドル級王座決定戦(2018年4月28日)
(出典:WOWOW)
ハートは、24戦23勝19KO1敗、28歳。WBO1位、WBC3位。
昨年9月に、WBOのヒルベルト・ラミレスに挑戦し、大激戦の末、惜しくも判定で敗れています。
ラミレスVSハート ↓
全勝対決はダウンを奪ったヒルベルト・ラミレスが逃げ切る VSジェシー・ハート
ニコルソンは21戦18勝17KO2敗1分け、25歳。
パンチ力だけなら、ハートより上かもしれません。
初回、油断したハートにピンチが
解説の浜田さんが言うように、「ハートは、もう少しなめらかなボクシングが出来れば」もっと強打を生かせるような気がします。
上背で10㎝ほど高いハートは、右の打ち下ろしをヒットさせ、早くもその強打ぶりを発揮します。
ニコルソンが頭を下げれば、右アッパーが待っています。
早くもハートがペースを握ったように見えましたが、ゴング間際に、ニコルソンの右ストレートがハートの顎を打ち抜き、ハートがロープまで飛ばされます。
同時にゴングが鳴って、ハートは命拾い。かなりダメージがあったようですから、あと10~20秒あれば倒されてかもしれません。
(ニコルソンの右ストレートが、きれいにハートの顎を打ち抜いています)
2ラウンドは、多少ダメージの残るハートが、左ジャブで距離を取り、回復を図ります。
ニコルソンもチャンスなんですが、初回のハートの打ち下ろしの右のダメージがあるのか、思い切った攻めに出られません。
ハートのパンチの風圧でダウン
3ラウンドに入ると、ほぼダメージが抜けたハートは、また右の打ち下ろしとアッパーでニコルソンを攻め立てます。
そして、ハートが大振りの右フックを放ったとき、その風圧?でタイミングよくニコルソンがダウンします。
明らかにスリップダウンですが、レフリーはダウンを取ります。
(全く当たっていませんが、のけぞった時にバランスを崩してニコルソンがダウン)
レフリーは間近で見ていたはずですが、ニコルソンの抗議もむなしく、カウント8で、試合再開。
この回の2度目のダウンもスリップ気味でした。
まず、ハートの右の打ち下ろしがヒットし、さらにハートがパンチを放つと、ニコルソンは腰を落としてこのパンチを避けます。
そのまま、ハートに押しつぶされるようにして、ニコルソンがダウンします。
(押し倒すようにしてダウンを奪います)
まあ、前の右が効いていたのは明らかですが、私には押し倒しにしか見えませんでしたね。
ハートが中盤からお疲れ
4ラウンドあたりから、ハートの手数が減ってきます。
3ラウンドの攻撃でスタミナを使ったのでしょうか、距離をキープして、ニコルソンが入って来たら、クリンチで回避する場面が増えてきます。
あれだけ大振りのパンチを、思い切り振り回してたら、さすがに疲れるでしょう。
ただ、ニコルソンも動きがあまりよくなく、上背のあるハートの圧力にスタミナを消耗している感じです。
今度はダウンがスリップの裁定
7ラウンド終盤に、ハートの右打ち下ろしで、ニコルソンがしゃがみ込み、そのまま両手をマットに着けます。
浜田さんが言うように、これはニコルソンがダウンの意思表示をしたのでしょう。8カウントでダメージを回復を図ろうとしたのに、レフリーは、今度はスリップダウンと裁定し、そのまま試合続行。
休みつもりのニコルソンはいきなりハートの連打にさらされ、あえなくダウン。
レフリーがカウントを取りますが、その間、ニコルソンは何やら抗議をし、レフリーのカウント8に対して、試合続行の意思表示をせず、試合がストップされました。
(カウント中にレフリーに抗議するニコルソン)
ハートのTKO勝ちです。
何だか、後味の悪い結末でしたね。
今日のハートは、ボクシングが雑でした。足の運びもなんだかギクシャクした感じで、何度も言うようですが「滑らかさに欠けていました」。
ラミレス戦ではあと一歩で逆転KOか、という大激戦を演じましたが、今日はその評価を大きく下げましたね。