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アントニオ・モラン(メキシコ)VSホセ・ペドラサ(プエルトリコ)
WBO中南米ライト級タイトルマッチ(2018年6月9日)
(出典:WOWOW)
チャンピオンのモランは、24戦22勝15KO2敗、25歳。WBO5位。
現在、3連続KO勝利中です。
ペドラサは、ジャーボンテイ・デービスに7RTKO負けで、IBF世界S・フェザー級タイトルを失ってから、これが再起第2戦となります。
ワシル・ロマチェンコに強敵現る! IBF新王者ジャーボンテイ・デービス VSホセ・ペドロサ
24戦23勝12KO1敗、29歳。
WBO5位のチャンピオンに勝って、再浮上を狙っています。
パワー対こんにゃく
チャンピオンのモランは183㎝の長身で、恵まれた体型をしています。
スピードはないものの、パンチはパワフルです。
ペドラサはそのパワーに、スピードとこんにゃくのようなボディワークで対抗し、モランの打ち終わりを狙ってパンチをヒットします。
2ラウンドには、モランのパンチを見切った感じで、ペースをつかみかけます。
しかし、3ラウンドは、モランが前に出るペドロサをパワーでねじ伏せにかかります。
ロープに詰めてペドラサに連打を浴びせ、ペースを引き寄せます。
4ラウンドは完全にモランがパワーで圧倒しますが、ペドラサもこんにゃくのようなボディワークで、クリーンヒットを許しません。
打ち終わりにカウンターを返しますが、流れはモランに傾きかけます。
モランが後半失速
モランのパンチは大振りで、パワーはあるものの、当て勘が悪く、スタミナのロスも大きいようですね。
5ラウンドあたりから、手数が減り、6ラウンドにはペドラサが完全に距離を支配した感じです。
7ラウンドにペースを取り戻そうと、プレッシャーをかけて前に出るモランに、ペドラサのボディブローがヒットし、モランの動きが止まります。
ただ、ペドラサも少し余裕を持ちすぎたのか、モランの時折放つ右ストレートの打ち下ろしを不用意にもらいます。
ペドラサがサウスポーにスイッチ
時折サウスポーにスイッチしていたペドラサが、8ラウンドから完全にサウスポースタイルで戦います。
解説の西岡利晃さんが「モランの右をもらわないように、左にスイッチ下のかもしれませんね」と言ったように、モランの右が遠くなり、逆にペドラサの左ストレートが再三ヒットするようになります。
ペドラサのボディブローもかなり効いているようで、モランの動きが悪くなってきた感じです。
モランはどうやらサウスポーが苦手のようで、何とかペースを取り戻そうと、前に出るものの手が出ません。
完全に攻めあぐねているようです。
ペドラサは、その隙をついて、ポンポンとパンチを当て、ペースを譲りません。
パンチの当て勘と、スキルでは完全にペドラサに軍配が上がりますね。
判定はジャッジ3者とも96-94と、意外に僅差でしたが、ペドラサの明確な勝利でした。
これで、「こんにゃく」ペドラサは、WBO14位から2位に浮上。8月25日に、WBOチャンピオンのレイムンド・ベルトランに挑戦することが決まっています。
ベルトランといえば、2015年に粟生隆寛とWBO世界ライト級タイトルマッチを行い、体重超過でタイトルは剥奪されたものの、2RTKO勝ちしています。しかし、その後薬物陽性反応で、無効試合になっています。