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レイ・バルガス(メキシコ)VSキャビン・マグドネル(イギリス)
IBF世界Sバンタム級王座決定戦(2017年2月25日)
(出典:WOWOW)
ランキング1位のバルガスは、28戦全勝22KO、26歳。
2位のキャビン・マグドネルは18戦16勝4KO2分け、30歳。WBA世界バンタム級王者のジェイミー・マグドネルは双子の兄弟です。
この決定戦の王座は、先日引退した、長谷川穂積さんが保持していたものです。
バルガスは174㎝の長身で、しかもハードヒッター。早い回でのKOも考えられた試合でしたが、バルガスが後失速して、判定決着となりました。
初回からバルガスがとばす
バルガスの左ジャブは長くて速いですね。
しかもメキシカン特有の左ボディブローも強烈です。
序盤のマグドネルは防戦一方にさらされました。
3回あたりからマグドネルも前に出ますが、パンチが出ません。逆にバルガスの速くて的確なワンツーが飛んできます。
(バルガスの左が再三マグドネルの顎をとらえます)
中盤からマグドネルもエンジンがかかる
中盤から、セコンドにはっぱをかけられたマグドネルが、プッシャーをかけて強引に前に出てきました。
そして、5ラウンドに放ったボディブロ―がバルガスにヒットし、もみ合うようにしてバルガスがダウンしました。
(5回のマグドネルのボディブローは効果的でした。スリップダウンでしたがダメージがあったようです)
レフリーの好判断でスリップと裁定されましたが、このボディは効いたようです。
バルガスのガードが少し下がり、手数も減りました。
その後もマグドネルの前進は止まりません。クリーンヒットはバルガスが上ですが、明らかにバルガスは押され気味です。
(バルガスの右カウンターは、タイミングは抜群のですが、ナックルが返っていません。まさかこれで痛めたのかな)
バルガスが後半失速
解説の西岡利晃さんは、「バルガスは手を痛めたかもしれませんね」という通り、後半のバルガスは、マグドネルのプレッシャーに押され気味で、左ジャブも序盤ほどの威力がなく、少しセーブして打っている感じです。
右のカウンターも明らかに減ってきました。どうも右も左も痛めたような感じですね。
一方のマグドネルはスタミナ抜群です。クリーンヒットこそ少ないものの、ガンガン前に出てきます。
バルガスのパンチが軽くなったので、多少パンチをもらっても深刻なダメージには至らないからかもしれません。
この失速が前半飛ばしすぎてスタミナが切れたのか、両手を痛めたのか、あるいはボディブロが効いたのか、正確には分かりませんが、いずれにしてもバルガスにはもう倒す力は残っていませんね。
しかし、ボクシングのうまさはやはりバルガスが一枚上。マグドネルも前には出るものの、バルガスのカウンターが先にヒットし、なかなか決定打をヒットすることが出来ません。
判定は2-0(114-114、117-111、116-112)。
バルガスが後半、明らかに失速したのが気になりますね。マグドネルは馬力とスタミナとタフネスだけの、典型的なイギリス人ボクサー。全く面白味がありません。