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クリストファー・ディアス(プエルトリコ)VSブライアント・クルス(アメリカ)
NABO北米S・フェザー級王座決定戦(2017年12月9日)
(出典:WOWOW)
ディアスは21戦全勝13KO、23歳。WBO8位にランクしている期待のホープです。
クルスは20戦18勝9KO2敗、28歳。元UBF全米ライト級チャンピオンです。
急きょ対戦が決まったクルスは、前日計量で体重超過し、王座獲得の権利を失いました。
クルスを見るのはこれが2度目です。
初回からダウンを奪う一方的展開
体重超過のクルスですが、動きはそれほど悪いようには見えません。
前回はライアン・マーティンにいいところなくTKO負けしていますが、まさかいきなりダウンを奪われるとは思いませんでした。
ディアスはディフェンスがよく、特に左フックが強そうですが、ダウンを奪ったのは、カウンターの右ストレートでした。
スピードのあるディアスのタイミングよく出した右ストレートが、クルスの顎をきれいにとらえました。
(絶妙のタイミングでディアスの右ストレートがヒット)
立ってきたクルスに、それほどダメージは感じられませんでした。
ディアスが連打を畳みかけましたが、左ジャブで距離をとり、なんとかこの回はしのぎます。
2ラウンドはディアスが左ジャブでクルスをコントロールし、今度は左フックがヒットします。クルスは足をばたつかせてダウンしました。
クルスは完全にスピード負けしていますね。このダウンはかなりダメージがありますよ。
(ディアスの左フックは強烈です。一発でクルスの足がばたつきました)
しぶとく立ってきたクルスに、ディアスが連打で襲い掛かります。
そして、ロープに詰めてオーバーハンドの左フックがクルスのテンプル、というより完全に後頭部にヒットし、クルスは3度目のダウン。
何とか立て来たクルスは、ゴングに救われました。
まあ、ここで止めても良かったというのが、エキサイトマッチ解説陣の一致した意見でしたが、私もそう思います。
ただ、このパンチは完全に後頭部に当たっていますね。まあ、頭を下げすぎたクルスにも責任があるとは思いますが。
最後も後頭部へのパンチ
2ラウンドが終了してコーナーに戻るクルスを見れば、3ラウンドはないかもしれない、と思わせましたが、ラウンド開始後、ドクターチェックがあり、試合が再開されました。
そしてディアスの豪快な左フックがクルスの後頭部をとらえ、クルスは足をばたつかせながら4度目のダウンを喫しました。
(このパンチもクルスの後頭部にヒットしていますね。)
さすがにこのダウンでレフリーは試合をストップしました。
NABO北米タイトルは、WBO傘下の地域タイトルですから、ディアスはこの王座獲得で、WBOのランキングを上げてくるでしょうね。
しかし、この日のクルスは決して本調子ではなかったでしょうから、ディアスのパワーパンチを鵜呑みにすることはできません。
しかも、WBOの王者は、ワシル・ロマチェンコですから、ディアスにチャンスが巡ってくるのは、ロマチェンコが階級を上げてからでしょう。