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トニー・べリュー(イギリス)VSイルンガ・マカブ(コンゴ共和国)
WBC世界クルーザー級王座決定戦(2016年5月29日)
(出典:WOWOW)
世の中はリオ・オリンピックと高校野球で盛り上がっていますが、私はぶれずにプロボクシングに焦点を絞って書いていきたいと思います。
クルーザー級はLヘビー級とヘビー級に挟まれた中途半端なクラスで、はっきり言って、レベルの低い階級だと思います。
ちなみに、Lヘビー級のリミットが79.38キロ、クルーザー級が90.7キロ。10キロも差がありますけど、このあたりのクラスの10キロはどうなんでしょうね。私は不要かなと思っています。
人気の点でも、クルーザーとヘビーでは天と地ほどの差がありますし、選手層も比べ物にならないでしょう。
べリューはこれが3度目の世界戦ですが、過去の2戦はいずれもLヘビー級です。
2013年にはWBC王者のアドニス・スティーブンソンに6RTKO負けしています。
29戦26勝16KO2敗1分け、33歳。191㎝の長身です。
WBC6位のオーソドックススタイルのボクサーです。
マカブはずっとクルーザー級で戦っています。
20戦19勝18KO1敗、28歳のサウスポー。
デビュー戦で1Rこ負けして以来、19連勝中です。WBC1位にランクしています。
マカブがダウンを奪って先行
序盤はべリューが長身を利して、スピード感はありませんが、長い左ジャブで距離をとり、中盤には、マカブをロープに詰めて、右ストレートを叩き込みます。
ダメージが感じられたマカブですが、ラウンドの終わり間際に、サウスポーの左ストレートでべリューがもんどりうってダウンしました。
(マカブの左ストレートでべリューはもんどりうってダウン)
2ラウンドはべリューが左ジャブで距離をとり、ペースを取り戻したように見えました。(飯田さんは10-9でマカブのラウンドとしていましたが)
べリューが左フックで大逆転
浜田さんは「ダメージは五分五分ですよ」という通り、マカブには1ラウンドのダメージが少し残っていたようです。
19勝18KOのマカブが早くも勝負に出ました。
べリューをロープに詰めて、ラッシュをかけます。
しかし、開始から45秒辺りで、雑な攻撃のマカブの顎に、べリューの左フックがカウンターでヒットしました。
(防御がおろそかになったところへべリューの左フックがカウンターで)
このパンチでマカブは大きく後ろに後退します。
これは効きましたね。
すかさずべリューは追いかけ、猛攻。ほぼ狙い打ち状態でパンチを放ちます。
マカブも下がりながらカウンターを返しますが、勢いが違います。
およそ30秒の猛攻の末、ロープに詰まったマカブにべリューの右ストレートから左の返しがジャストミートし、マカブは完全に失神、すぐにレフリーがストップしました。
(右ストレートから左の返しのフック)
マカブはずっとクルーザー級で戦ってきたので、強い相手との対戦がなかったのでしょう。パンチはありますが、ディフェンスが甘く打たれもろすぎます。
べリューもチャンピオンにはなりましたが、はっきり言って三流ですね。
左ジャブも長いだけでスピードがありませんし、右が効果的に当たったのもマカブのレベルが低すぎたからだと思います。
イルンガ・マカブが1位にランクされていることが、クルーザー級の現状を如実に語っていますね。
この階級、イルンガ?(ジョー小泉さんの真似をしてみました)