目次
ドミニク・ブリージール(アメリカ)VSカルロス・ネグロン(プエルトリコ)
ヘビー級10回戦(2018年12月22日)
ブリージールは、20戦19勝17KO1敗、33歳。WBC4位
唯一の1敗は、2016年にアンソニー・ジョシュアに挑戦し、7RTKO負けしたものです。
ネグロンは、21戦20勝16KO1敗、31歳。元WBC米大陸ヘビー級チャンピオン。
意外と「当て勘」のいいネグロン
ブリージールは身長201㎝の大型選手ですが、ネグロンも198㎝とそん色ありません。「わしボク」が敬愛するモハメッド・アリは190㎝でしたから、ヘビー級はホントに大型化してきましたね。二人がリング上で対峙すると迫力満点です。
前に出てプレッシャーをかけるのは、ブリージールです。ネグロンは下がりながら、結構的確な左ジャブをヒットさせます。ブリージールはいつものように雑なパンチを放ちますが、ネグロンのボディワークに、ことごとく外されます。ネグロンはボディブローもうまいですね。この選手、ホントにテクニックは一級品ですよ。お腹にやや余裕があり、動きも重く、とても俊敏には見えないのですが、ロープに詰まると素早く体を入れ替えます。ヘッドスリップも巧みで、ルーズなガードのブリージールとは対照的です。
パンチ力はブリージール
序盤は完全に、ネグロンのテクニックにブリージールが翻弄され、このままネグロンがペースをキープするかと思われた4ラウンド終盤。先に連打を放ったのはサウスポーにスイッチしたネグロンでしたが、ゴング間際にブリージールの右ストレートがネグロンの顎をとらえ、足がふらつきます。もう少し時間があれば倒されていたでしょうね。
このあたりから、流れがブリージールに傾きます。相変わらず雑な攻撃とルーズなガードのブリージールですが、少しずつパンチがヒットするようになります。ネグロンも的確な左ジャブで応戦しますが、ブリージールのプレッシャーに押され、手数が減ってきます。
最後は右フック一発
試合の後半になると、やや息があがった感じのネグロンは、動きも悪なり、ロープに詰まるシーンが多くなってきます。しかし、ポイントはまだ微妙ですよ。勝負をかけたブリージールが、強引に打って出ますが、なかなかクリーンヒットを決めることが出来ません。
そして迎えた9ラウンド。ブリージールの右フックが、ついにネグロンをとらえます。よく見るとナックルがきれいに当たっていませんが、ブリージールらしい、なぎ倒すような豪快なパンチでした。
ロープにもたれかかるようにダウンしたネグロンですが、誰が見ても「もう立てない」と思ったでしょう。レフリーはすぐに試合をストップしました。
「とにかく最後に倒せばいい」と浜田剛史さんが言ったようになりました。しかし、このボクシングでは世界を狙うのは難しいでしょうね。倒す前に倒されてしまいます。でも、この派手なボクシングは好きですね。