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レオ・サンタ・クルス(メキシコ)VSクリス・アバロス(アメリカ)
WBAスーパー世界フェザー級タイトルマッチ(2017年10月14日)
(出典:WOWOW)
サンタ・クルスは35戦34勝18KO1敗、29歳。
アバロスは32戦27勝22KO5敗、27歳。
サンタ・クルスは決して危険な相手を選びません。唯一1敗したカール・フランプトンも強敵ではありますが、決して危険な相手ではありませんでした。
この日のアバロス戦は、タイトルマッチとはいえ、完全にチューンアップ試合という感じですね。これに勝って、アブネル・マレスとの再戦というのが、青写真です。
アバロスといえば、2014年にマカオで、石本康隆をTKOで下し、石本のIBF世界S・バンタム級への挑戦権を奪っています。まあ、この頃が全盛期だったような気がします。
WBA11位ですが、タイトル戦成立のために、無理やりランキング入りしたような気がします。
ちなみに、2015年にはWBOのフェザー級王者、オスカル・バルデスには5RKO負けしています。
珍しく強引に倒しに行くサンタ・クルス
初回から両者はかなり積極的に打ち合います。
アバロスはタフで好戦的なファイターですし、サンタ・クルスもかなり力のこもった右がヒットさせ、一歩も引きません。
解説の西岡利晃さんは「サンタ・クルスはいつよりかなり力みがありますね」。
4ラウンドは、サンタ・クルスが放った右フックがアバロスの顎をとらえ、アバロスが体勢を崩すと、サンタ・クルスが珍しく強引に倒しに行きます。
サンタ・クルスが連打でアバロスを追いつめますが、決定的なダメージを与えることが出来ません。
アバロスがタフなのか、サンタ・クルスのパンチが、西岡さんが言うように力みすぎて、今一つキレがないのか、何度もダウン寸前に追い込みながら、アバロスに逃げ切られます。
珍しくスタミナ切れのサンタ・クルス
無理をしないサンタ・クルスにしては、珍しく4ラウンドにスタミナを使いすぎ、5ラウンドはむしろアバロスの攻勢の方が目立ちました。
サンタ・クルスの右のパンチは体が流れ出し、全体的に攻撃が雑になり、アバロスが息を吹き返します。
しかし、7ラウンドからサンタ・クルスはボディ攻撃に切り替え、アバロスは明らかに動きが悪くなってきます。
8ラウンドにまた勝負をかけたサンタ・クルスの連打をあび、右ストレートを放ったところで、レフリーが割って入り、試合終了。
(まだ十分戦えそうな感じでしたが、レフリーがストップしました)
ストップのタイミングとしては、唐突な感じを受けましたが、今までのダメージを考えると仕方がないのかもしれません。
しかし、アバロスはこのストップには相当不服そうでした。
止めるなら、4ラウンドかな、と思いましたが、サンタ・クルスのパンチは見た目ほど威力がなかったのかもしれませんね。
これで、アブネル・マレスとの統一戦は、打撃戦にはなるかもしれませんが、スリリングな場面はほとんどなく、どっちが勝ったかわからいような退屈な12ラウンドを消化することになりそうです。