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220.Sヘビー級アメリカ代表のオリンピアン お手並み拝見
ヘビー級10回戦(2015年9月26日)
ドミニク・ブリージール(アメリカ)VSフレッド・キャシー(カメルーン)
(出典:WOWOW)
ブリージールは、ロンドンオリンピックでスーパーヘビー級アメリカ代表として出場し、ベスト8まで駒を進めましたが、あと一歩というところで、メダルを逃しています。
この日のエキサイトマッチの解説はジョー小泉さんと西岡利晃さんでしたので、浜田剛史さんの名セリフ「お手並み拝見といきまか~」が聞けませんでしたが、15戦全勝14KOの戦績、そして身長2メートル1センチの体格。
期待して当然でしょう。
曲者キャシー
キャシーは、その名前からは想像もつかない36歳、身長182センチの坊主頭のボクサーです。身長差約20センチもありますが、頻繁にスイッチするかなりやりにくい相手です。
前の試合では、クリス・アレオーラと引き分けています。
アレオーラは最近こそケガなどでぱっとしませんが、2009年にはビタリ・クリチコの世界タイトルに挑戦したこともあり、今でもWBC14位にランクされる強豪です。
ブリージールは体力に任せて前に出てパンチをふるいますが、的が小さくスピードのあるキャシーには全くクリーンヒットしません。
前途多難なホープ
プレッシャーはかけますが、パンチにスピードも精度もなく、当たってもキャシーがうまく殺してクリーンヒットを許してくれません。
「この相手を倒すのはむつかしかな」もう4回ぐらいでそんな印象を持ちました。
パワーはあるのでしょうけど、デオンテイ・ワイルダーに比べるとはるかに攻撃の迫力に欠けますね。
ジャブがダメ
ジョー小泉さんが「ブリージールのジャブの打ち方が悪いですね。アレではスナップの利いたジャブが打てませんよ。」と批判。
どうやら、ひざの使い方とそれに伴うつま先の力の入れ方が重要なようです。
対して、西岡さんが「ジャブには2種類あって、つま先から入るボクサーと、かかとから入るボクサーがいます」。
つま先からのジャブはスピードがある分危険をともない、かかとから入るジャブは打たれたときに安全という利点があるようです。むつかしい話ですね。
西岡さんはつま先型で、ゴロフキンはかかと型ということです。
こんな話、50年ほどボクシングを見ていますが、聞いたことがないです。
まあ、とにかくブリージールのジャブの打ち方はダメということです。
試合に戻りますか
試合全般は、ブリージールがダメなジャブをついて前にでて、大振りのフックを空振り、当たるのはボディブローだけという単調で工夫のない攻めで、スピードなければ、パンチ力も感じられません。
むしろキャシーが時折打つパンチの方がきれいにヒットしていました。
しかもキャシーは、効いたパンチは一発ももらっていません。
判定は中差から大差でブルージールを支持していましたが、私はわずか1ポイント差で何とかブルージールの勝ちとしました。
いずれにしても見るべき点のほとんどない、退屈な10ラウンドだったのは間違いないです。
このオリンピアン、まだまだ世界に通用するには時間がかかりますね。
2年後ぐらいにもう一度、「お手並み拝見」しましょう!