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ホセ・ウスカテギ(ベネズエラ)VSケイレブ・プラント(アメリカ)
IBF世界S・ミドル級タイトルマッチ(2019年1月13日)
ウスカテギは、30戦28勝23KO2敗、28歳。
因縁の再戦でアンドレ・ディレルからタイトルを奪い、これが初防衛戦です。しかし、昨年9月のノンタイトル戦は出来が悪かったですね。
プラントは、17戦全勝10KO、26歳。IBF2位。
全勝ですが、世界的には全く無名。名のある選手との対戦もありません。本来なら、ウスカテギがパワーで押し切るところですが。
プラントのスピードにペースが狂う
じりじりと前に出てパンチを放つウスカテギですが、ことごとくプラントの速い動きにかわされ、打ち終わりにプラントの速いパンチを被弾。序盤で、早くもプラントが距離を支配した感じです。左ジャブの突き合いもリーチの短いプラントのパンチが先にヒットし、ウスカテギのパンチは、バックステップでかわされ、強引なフックもプラントの巧みなボディワークで空を切らされます。
2ラウンドに無理な姿勢でパンチを放つウスカテギに、左フックを合わされ、スリップ気味にウスカテギがダウンします。ダメージはなさそうですが、ペースは着実にプラントに傾いていきます。
4ラウンドは、あせるウスカテギがプラントをロープに詰め、強引にパンチを放ったところに、左フックのカウンターをあわされ、2度目のダウンを喫します。
プラントにもう少しパンチがあれば、かなり危ないパンチでしたが、どうやら見た目ほどダメージはなさそうです。
プレッシャーを強めるウスカテギ
2度のダウンで大きくポイントをリードされたウスカテギは、5ラウンドあたりから、かなり強引にプレッシャーを強め前に出ます。しかし、距離を詰めると、先にプラントのパンチがヒットし、なかなかウスカテギのパンチが当たりません。
それでも少しずつウスカテギのパンチがヒットするようになり、プラントはやや追いつめられた感じになってきます。解説の浜田剛史さんも「プラントはかなり圧迫感を感じていますよ」。
終盤の反撃も及ばず
プラントの息がやや上がった感じの9ラウンド。ようやくウスカテギの左アッパーがヒットし、プラントが大きく体勢を崩します。この試合、プラントが初めてもらったダメージブローです。しかし、プラントはクリンチワークも接近戦もうまいですね。
終盤は、ウスカテギがかなり反撃しましたが、前に出るものの狙いすぎて手数が少なく、最後まで決定打を叩き込めず、勝利を確信したプラントに逃げ切られてしまいます。
判定は3-0(116-110、116-110、115-111)と、明確なスコアで、伏兵プラントが番狂わせで、タイトルを獲得しました。奇遇にも「わしボク」の採点も116-110でした。プラントは、速くて上手いボクサーですが、魅力は感じませんね。S・ミドル級のレベルはやっぱり今一つです。