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セルゲイ・コバレフ(ロシア)VSエレイデル・アルバレス(コロンビア)
WBO世界ライトヘビー級タイトルマッチ(2018年8月4日)
(出典:WOWOW)
コバレフは、35戦32勝28KO2敗1分け、35歳。
アンドレ・ウォードに2連敗したものの、再びタイトルを奪取し、これが2度目の防衛戦です。
エレイデル・アルバレスは、23戦全勝11KO、34歳。WBO8位ですが、WBC王者のアドニス・スティーブンソンへの挑戦権を2度獲得しながら、ずっと待たされた続けた実力者です。
コバレフは、この防衛に成功すれば、アンダーカードに登場したドミトリー・ビボルとの統一戦というプランもあるようです。
前半はコバレフのうまさが光る
コバレフは、リラックスした構えで左ジャブを突いて、プレッシャーをかけます。
やや硬さの見えるアルバレスは、下がりながら右カウンターを狙っているようです。
3ラウンドあたりから、コバレフのプレッシャーが強くなり、アルバレスはやや押され気味になってきます。
そして4ラウンドは、コバレフの右打ち下ろしがヒットし、アルバレスの動きにダメージが感じられます。
コバレフはチャンスと見て、ワンツーを畳みかけますが、アルバレス結構打たれ強いですね。
ここまでは、ほぼコバレフのペースで試合が進み、やはり世界戦のキャリアの差が歴然としている感じです。
コバレフが中盤からやや失速?
4ラウンドにかなりスタミナを使った感じのコバレフは、5ラウンドからやや動きにキレがなくなったような気がしますね。
それでも、前に出てプレッシャーをかけ、ペースを渡すことありません。
ただ、アルバレスも4ラウンドのダメージはほとんど見られません。なかなかタフですよ。
6ラウンドもコバレフの右がヒットして、アルバレスが体勢を崩しますが、そこからのコバレフの畳みかけがなく、少し息があがっているように見えます。
まさかの一発
ややパンチにスピードがなくパワーダウンした感じのコバレフですが、まさかの結末が待っているとは思いもよりませんでしたね。
7ラウンド、残り1分強のところで、恐らくずっと狙っていたアルバレスの右ストレートがコバレフの顎をとらえ、コバレフが尻もちをついてダウン!
一瞬、何が起こったのかわかりませんでしたね。
(狙いすましたアルバレスの右ストレート)
(尻もちをついたコバレフの表情には、明らかにダメージが感じられます)
立ってきたコバレフの顔に疲労感がにじみ出ていて、かなりダメージがあるような感じです。
アルバレスも、ここは一気に畳みかけることはせず、じっくり攻めます。
KO率が意外に低いのは、このあたりの用心深さが原因かもしれませんね。
しかし、アルバレスがじわじわとコバレフを追いつめ、右フックから返しの左フックで再びダウンを奪います。
(この左右の連打でほぼ決まった感じです)
何とか立ってきたコバレフですが、もう反撃の力は残っていません。ここで止めても良かったと思いますが、レフリーは試合を続行させます。
アルバレスが一気に連打を畳みかけ、押しつぶされるようにコバレフがダウンしたところで、レフリーが試合をストップ。7RTKO勝ちでアルバレスがタイトルを獲得しました。
(もうコバレフに、反撃の力は残っていません)
ウォード戦のようなローブローではなく、まともにパンチをもらって完全に倒されたコバレフは、今度こそ世界戦線からの脱落を印象付けましたね。
待たされたアルバレスは、ようやく世界タイトルを獲得しましたが、このライトヘビー級はレベルが高いですよ。
まず、IBFのアルツール・ベテルビエフ(ロシア)。12戦全勝オールノックアウトの強打者です。
この日のアンダーカードで、手堅いボクシングを見せたドミトリー・ビボルもロシア人です。
長期政権を築いているWBC王者のアドニス・スティーブンソン。すでに9度の防衛を果たしています。
WBC暫定王者に、オレクサンダー・クボジーク(ウクライナ)がいます。
スティーブンソンを除くと、すべて無敗のチャンピオンばかりです。
あえて順位をつけるとしたら
1位 ドミトリー・ビボル
2位 アルツール・ベテルビエフ
3位 オレクサンダー・クボジーク
4位 エレイデル・アルバレス
5位 アドニス・スティーブンソン
となりますね。