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ジャーメル・チャーロ(アメリカ)VSオースチン・トラウト(アメリカ)
WBC世界S・ウェルター級タイトルマッチ(2018年6月9日)
(出典:WOWOW)
チャーロは、30戦全勝15KO,28歳。チャーロ兄弟の双子の弟。
倒し屋の兄に対して、テクニカルな弟という対比でしたが、最近は4連続KO勝ちと、ジャーメルも倒し屋に進化してきています。
衝撃の1R一発KO!倒し屋に進化?チャーロ弟 ジャーメル・チャーロVSエリクソン・ルビン
トラウトは、35戦31勝17KO4敗、32歳のサウスポー。WBC7位、元WBA世界S・ウェルター級王者。
なかなかクリーンヒットを当てさせないボディワークの上手さに、兄のジャーマルも大苦戦しています。
ジャーマル兄はサウスポー相手に強打が空転 ジャーマル・チャーロVSオースティン・トラウト
ジャーメルの進化の真価?が問われる一戦となりそうです。(すいません、くだらないダジャレで。ちょっとジー小泉さんの真似をしてみました)
さすがのジャーメルもなかなか捕まえられない
サウスポーを苦にしないというジャーメルですが、半身に構えるトラウトは、そう簡単なサウスポーではありません。
プレッシャーをかけてトラウトを追いかけるジャーメルですが、パワーが空転し、パンチも空転。バックステップが速く、ボディワークが巧みで、クリーンヒットを許してくれません。
右ジャブもジャーマルにはかなり邪魔なようですね。
3ラウンドに、強引に攻めこみ、ロープ際で右フックがヒットし、下がるトラウトの両足が揃った感じで、スリップ気味にダウンしました。
(当たったのは最初の右フックだけで、後はジャーメルのパワーで押し倒された感じです)
ほぼスリップダウンですので、立ってきたトラウトにダメージは感じられません。
プレッシャーを強めるチャーロ
4ランドは、チャーロがややプレッシャーを強め、距離が詰まります。
しかし、そこからなかなかクリーンヒットを当てることが出来ません。
逆にトラウトの軽い左カウンターをもらってしまいます。
チャーロはプレッシャーをかけて前に出るものの、お互い手数が少なく、5ラウンドには観衆からブーイングが聞こえてきます。
明らかに攻めあぐねるチャーロに対して、トラウトはマイペースのボクシングを展開します。
このあたりで、チャーロはポイントを失ったかもしれません。
少しだけチャーロらしさ
8ラウンドにようやくチャーロらしい強引な攻勢が見られ、やっとトラウトにパンチがヒットします。
そして、9ラウンドに劣勢を挽回しよと、先に仕掛けてきたトラウトの左ストレートをかわし、チャーロの右フックをトラウトのテンプルをとらえます。
ダウンしたトラウトは、「後頭部の打撃」をアピールしますが、受け入れられません。
(トラウトの左をかわし、チャーロの右フックがテンプルにヒット)
(辛うじて、側頭部をとらえています)
ややダメージのあるトラウトに、チャーロが追い打ちをかけますが、トラウトはしぶとく逃げ切ります。
10ラウンド、勝負に出たトラウトがチャーロをロープに詰めますが、ここでもチャーロの左フックがカウンターでヒットし、ロープに頭を突っ込んだトラウトにさらに右ストレート叩き込みます。
(トラウトが出てきたところへ、チャーロの左フック、そして右ストレート)
この日のチャーロのパンチでは、これが一番効いたように思います。
さすがのトラウトも動きが悪くなり、チャーロのパンチをまともに何発かもらいます。
慎重なジャーメルに戻る
10ラウンドはジャーメルにとっては、一番のKOチャンスでしたが、以前の慎重なジャーメルが顔を出し、仕留めることが出来ません。
終盤の2ラウンドは、ジャーメルも明らかに流している感じで、時折ワンツーを放ちますが、無理をしません。
ジャッジもトラウトにポイントを与えています。
判定はなんと2-0(113-113、115-111,118-108)でチャーロの勝ちでした。
ちなみに私の採点は、116-110でした。文句なしにチャーロの勝ちでしょう。
それにしても、引き分けにしたジャッジと、10ポイント差をつけたジャッジの採点の違いは何なんでしょうね。
各ラウンド、無理やり差をつける採点方法が、こんな結果を生んだのだと思います。
結局、採点基準なんか、あってないようなものですよ。
それと、極端な採点をするジャッジには、何らかのペナルティが絶対必要です。
ところで、ハイメ・ムンギアというニューヒーローが登場しただけに、ジャーメルはちょっと株を落としましたね。