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木村翔(青木)VSフロイラン・サルダール(フィリピン)
WBO世界フライ級タイトルマッチ(2018年7月27日)IN 中国(青島)
木村は、19戦16勝9KO1敗2分け、30歳。
1年前に、中国(上海)で国民的英雄のゾウ・シミンに、大番車わせのTKO勝ちでタイトルを獲得しました。
サルダールは、山中竜也からタイトルを奪ったビック・サルダールの実兄です。
31戦28勝19KO2敗1分け、29歳。
2年前に、井上拓真と対戦し、ダウンを奪いながら後半失速し、判定負けを喫しています。
お互い身長は165㎝ですが、サルダールは10㎝もリーチが長く、木村がこの距離をつぶせることが出来るかどうかが、勝敗の分かれ目となるでしょう。
木村のパンチが届かない
身長は同じですが、リーチの長いサルダールの方が、大きく見えますね。
初回からいつものように、木村は前に出て、何とか懐に入ろうとしています。
サルダールの右のカウンターが怖いですね。
木村はガードを固めて前に出ますが、まだ、パンチは空を切り、距離があっていない感じです。
逆にサルダールの左右のロングパンチが、木村の顔面をとらえます。
2ラウンドに入ると、木村がややプレッシャーを強めました。
サルダールは、落ち着いてこれを捌きます。
相変わらず木村のパンチは届きませんが、少しずつ距離は詰まっている感じです。
サルダールのパンチを受けても、木村は前進を止めません。
ここまではサルダールのペースですね。
サルダールが少しずつ押されていますが、まだ、木村は距離をつぶすことが出来ていません。
愚直に前に出てパンチを放つ木村を、サルダールが捌く展開が続きます。
木村のボディブローが効いてきた
しかし、4ラウンド後半ぐらいから、ようやく木村左ジャブが届くようになり、ロープに詰まったサルダールに木村がボディの連打を放ちます。
やや、サルダールがボディブローを嫌がっている感じです。
木村の左が結構、サルダールのボディをとらえるようになってきましたが、右はまだ距離が合っていませんね。
5ラウンドも木村がガンガン前に出てプレッシャーをかけます。
サルダールの左ジャブでは、もう木村の前進を止めることが出来ません。
1分過ぎたあたりから、木村のボディブローで、サルダールは完全に腰が引けた状態で、パンチにも威力がなくなります。
ロープに詰めて、木村が顔面への連打を浴びせます。
そして、残り1分。執拗な木村の左ボディブローで、ついにサルダールが膝をつきます。
かなり苦しそうですが、何とか立ってきます。
こうなったら木村の前進は止まりません。
木村は、完全にサルダールを捕まえましたね。サルダールも必死に応戦し、何とかこの回を凌ぎます。
6ラウンド。コーナーに詰めて、木村がサルダールに連打を浴びせます。
何とか応戦するサルダールが、最後の力を振り絞り反撃します。
しかし、これをなんなく凌いだ木村が、上下のパンチでサルダールを追いつめ、最後はやはり左フック。
サルダールの右わき腹をえぐった左ボディブローで、サルダールがダウン。
レフリーがカウントアウトして、木村がKOで2度目の防衛に成功しました。
顔面へのパンチは、サルダールも上体の動きで殺していましたが、左のボディブローが4ラウンドあたりから、かなり効いていたようです。
次は田中恒成
木村は、わずか2か月のインターバルで3度目の防衛戦を、田中恒成と行います。
テクニック、スピード、パンチのキレはすべて田中が上回っていますが、タフネス木村の執拗な攻撃は侮れません。
前半に、田中がしっかりポイントを奪い、後半の木村の攻勢を捌ければ、田中が判定でタイトルを奪えるでしょう。
しかし、木村ワールドの術中にはまると、田中は大苦戦、下手をすると倒されますよ。
いずれにして、楽しみなカードですね。何とかテレビで生中継してほしいものです。