伊藤雅雪のアンダーカードも大番狂わせ アルテミオ・レイエスVSガブリエル・ブラセロ

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アルテミオ・レイエス(アメリカ)VSガブリエル・ブラセロ(アメリカ)

ウェルター級10回戦(2018年7月29日)

(出典:WOWOW)

アルテミオ・レイエスは、27戦25勝20KO2敗、31載。元WBC中米カリブウェルター級チャンピオン。

現在10連勝、7連続KO勝ち中の有望株です。

ガブリエル・ブラセロは、28戦24勝5KO3敗1分け、37歳。元WBOインターコンチネンタルチャンピオン。

はっきり言って、峠を過ぎた選手ですね。24勝のうちわずか5KOも、このクラスではあまりにも少ないですし、ピンチヒッターとして試合が決まったのが、わずか1週間前。試合前から勝敗が決まっているようなカードですね。

プレッシャーをかけるが手が出ないレイエス

これから世界を狙おうかという「レイエスが何ラウンドに倒すか」ほぼ試合の焦点は、そこに絞られます。

リング上で対峙した二人の体格差は歴然としています。183㎝のレイエスに対し、171㎝のブラセロ、その差12㎝。

そのレイエスがじわじわと前に出てプレッシャーをかけます。

しかし、小柄なブラセロはほぼロープ伝いに左右に動き、レイエスに的を絞らせません。

時折、左ジャブを突いて、レイエスの前進を阻みます。動きも37歳とは思えない素早いフットワークです。

しかし、レイエスは慌てずプレッシャーをかけてブラセロをひたすら追いかけます。

恐らく、どこかでレイエスが、ブラセロを捕まえ、20KOの強打を叩き込むのでしょう。

ただ、レイエスの動きに精彩がなく、パンチにスピード感がありません。

しかも、ほとんど手が出ず、手数では明らかにブラセロに軍配が上がります。

プレッシャーを強めるが

2ラウンドに入ると、レイエスがプレッシャーを強めます。

しかし、相変わらず手数が少なく、逆にブラセロのパンチが何度もレイエスの顎をとらえ、この時点ではスピードもテクニックもブラセロが上回っているように見えます。

レイエスのパンチはスピードがないうえ、全く威力を感じさせません。とても7連続KO中とは思えないパンチです。

4ラウンドに入って、ようやくレイエスに少しリズムが出てきて、ブラセロがやや押され気味になります。

それでも、手数では相変わらずブラセロが大きく上回り、たまに出すレイエスのパンチはほとんどブラセロにヒットしません。

勝負が裏目に

さすがにこのままではダメだと思ったのでしょう。5ラウンドにレイエスの手数が増え、勝負に出た感じがします。

しかしラウンド後半になると、下がりながら隙を見て打つブラセロのパンチが、何度もレイエスにヒットします。

そして、ブラセロが左ボディブローから右、左のコンビメーションを放つと、少し間を置いて、レイエスが膝をつきます。

(最初の左ボディが効いたようです。右ストレートもまともにヒットしていますね。)

なんと、レイエスがダウンしました。

(膝をついてダメージの回復を図っているのかと思いきや、カウントアウトされました)

立ってくると思いましたが、予想以上にボディブローが効いていたようです。レフリーがカウントアウトしました。

1週間前にピンチヒッターを告げられた37歳のブラセロが、大番狂わせのKO勝ち。しかも、初回から一方的な展開で、レイエスを圧倒しての勝利です。

レイエスは、相手をなめていたのでしょうね。明らかに調整不足です。

ブラセロはまた再浮上してくるかもしれませんね。スキルとスピードは、まだまだ世界で戦える感じがしました。

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