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オスカル・バルデス(メキシコ)VSスコット・クイッグ(イギリス)
WBO世界フェザー級タイトルマッチ(2018年3月10日)
(出典:WOWOW)
バルデスは、23戦全勝19KO、27歳。
4度目の防衛戦ですが、過去3度の防衛戦で、KOしたのは大沢宏晋だけ。
バルデスの強打もやや湿りがちですね。もっとも、解説の浜田剛史さんは「巧打者」という表現をしていました。相手のパンチをもらわずに、パンチを当てるのは確かに上手いですね。
クイッグは、37戦34勝25KO1敗2分け、29歳。WBO10位。
元WBA世界S・バンタム級チャンピオン(6度防衛)。
階級を上げたにも関わらず、クイッグは前日計量で体重オーバーし、失格となっています。最近、ホントに多いですね。もううんざりです。
すったもんだがあったようですが、何とか試合にこぎつけました。
しかし、試合当日はクイッグが3キロも多かったようですよ。これはダメでしょう。
序盤はバルデスの技巧が光る
やはり、クイッグの方が一回り大きく見えますね。
クイッグはイギリス人ファイターらしく、前に出てガードの上からパワフルなパンチを放ってきます。
バルデスは前に出てきたクイッグが射程内に入ったら、速いパンチをビシビシとヒットし、特に左ボディブローは強烈です。並みのボクサーならこの一発で悶絶するでしょうね。
(バルデスの左ボディブローは秀逸です。何度もクイッグの右わき腹にヒットします)
クイッグはプレッシャーをかけて前に出ますが、手が出ません。
クリーンヒットの数では、ひょっとしたら10倍ぐらいバルデスの方が多いかもしれません。
徐々に体重の差が…そして
パンチを先にヒットし、ポイントをリードしているのはバルデスですが、決してペースを握っている感じはありません。少し口を開け、3キロも重いクイッグの圧力に押され気味で、余裕は感じられません。
そして、5ラウンド。
かなりバルデスの強いパンチをもらっているにもかかわらず、お構いなしに前に出てプレッシャーをかけてくるクイッグの右フックがバルデスの顎にヒット。
バルデスはたたらを踏んで、バランスを崩します。
(バルデスの顎を骨折させたクイッグの右フック)
どうやらこの右フックで、バルデスは顎を骨折したようです。
バルデスの左ボディで流れを取り戻す
中盤は、さすがにバルデスのパンチにキレがなくなり、クリーンヒットが少ないとはいえ、クイッグのパワーに押され気味になっていきます。
しかし、9ラウンドに起死回生のバルデスの左ボディブローがヒットし、クイッグの体が九の字になりました。
(クイッグが少し気を抜いたところへヒットした左ボディブロー)
これはかなり効いたようですね。少し力を抜いたときに打たれたボディブローは効きます。
息を吹き返したバルデスの動きがよくなり、パンチにもややキレが戻ってきました。
一方のクイッグは、相変わらずプレッシャーをかけて前に出ますが、さすがに手数が減ってきた感じです。
終盤の2ラウンドのバルデスの踏ん張りはすごいですね。
もう、バテバテなのは明らかです。しかし、渾身の力を振り絞って、パンチを放ちます。序盤の頃のキレはありませんが、それでも手数では圧倒していました。
ボクシングのスキルは、圧倒的にバルデスが上でした。
クイッグが優っていたのは、「体重」だけです。
こんなつまらんボクサーは、早く引退してほしいですね。
試合後すぐ病院へ直行したバルデスですが、年内復帰は難しいとのことです。
この試合は中止すべきでしたね。