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ダニー・ガルシア(アメリカ)VSサミュエル・バルガス(コロンビア)
ウェルター級10回戦(2016年11月12日)
(出典:WOWOW)
アミール・カーンを左フック一発でマットに沈めて、スーパースター候補に名乗りを挙げたガルシアですが、その後はあまりスカッとしたKO勝ちがなく、スーパースター候補としては地味な戦いが続いていました。
2103年に対戦したルーカス・マティセが、私には一番危険な相手だったと思います。
かなり危ないシーンもあったこの一戦を境に、パンチ力のある危険な相手を避けていたような気もします。
しかし、次に迎えるキース・サーマンは過去最高の強敵でしょうね。
その前哨戦となる、この日のノンタイトル戦で、ガルシアの今の戦力を分析してみましょう。
ガルシアは32戦全勝18KO、28歳。最近は必殺の左フックも湿りがちです。
サミュエル・バルガスは28戦25勝13KO2敗1分け、27歳。
WBA6位、WBCでも13位にランクされていますが、それほどパンチ力のない比較的安全な相手といえるでしょう。
力の差が歴然
ガルシアの動きはなめらかで、仕上がりの良さを感じさせました。
パンチのスピードも申し分なく、ゆったりとした自然体のフォームは余裕を感じさせます。
バルガスのパンチは、ガルシアの巧みなディフェンスに阻まれ、空を切るばかりです。
そして、2ラウンドに終盤、右フックのカウンターがヒットし、バルガスが派手にダウンしました。
(タイミングは抜群でしたが、少し当たりが浅かったようです)
これで決まったかなと思いましたが(ウィキペデアでは2RKOとなっていましたから)、何とか立ち上がり、ゴングに救われました。
この日は、得意の左フックより、右フックが再三ヒットしていました。
(右フックから左の返しが速い)
なすすべなしのバルガス
思ったほどダメージを感じさせないバルガスですが、放つパンチはガルシアのディフェンステクニックで完全に封じられ、右フックのカウンターから左の返しで、何度も腰を落とします。
中盤は完全にバルガスのパンチを見切ったガルシアがプレッシャーをかけ、強引に倒しに行きます。
しかし、カウンターパンチャーのガルシアは、自分からの攻撃ではパンチの威力が半減し、決め手に欠きますね。
かといって、バルガスもなすすべがありません。
そして、7ラウンド。ガルシアがバルガスをロープに詰めて、滅多打ちになったところで、セコンドがストップをかけました。
ガルシアVSサーマン
さあ、次はいよいよWBA王者のキース・サーマンとのビッグマッチです。
(リングサイドで解説するサーマン)
試合後のリング上でひと悶着あった2人ですが、この論戦ではガルシアに余裕が感じられました。
さて、実戦はどうでしょうか。
フィジカルの強さではガルシア、スピードは互角かな。
パンチ力はサーマンですが、ディフェンス力はガルシアが上でしょう。
ショーン・ポーター戦でポーターのフィジカルの強さに苦戦したサーマン。ここがサーマンの弱点だと思います。
ガルシアに前に出てプレッシャーをかけられ、不用意に反撃しようとすると、ガルシアのカウンターの餌食になるような気がします。
終盤にガルシアが失速すれば、サーマンにも倒すチャンスはあります。中盤までは、ガルシアの巧みなディフェンスでサーマンの強打は空転しそうですね。
結論は、手堅いガルシアの小差判定勝ち、でしょう。でも、サーマンのKO勝ちが観たい!