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アンドレ・ディレル(アメリカ)VSホセ・ウスカテギ(ベネズエラ)
IBF暫定世界S・ミドル級タイトルマッチ(2018年3月4日)
(出典:WOWOW)
まさにこの二人は因縁のリマッチですね。
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暫定王者のディレルは、28戦26勝16KO2敗、サウスポー。
ウスカテギは28戦26勝22KO2敗、27歳。
ディレルも185㎝となかなかいい体格をしていますが、ウスカテギは188㎝の長身で、しかもがっしりした体格をしています。
危うく前回の二の舞
ウスカテギは、前回の試合の時よりパワーアップした感じがします。
大きな体をかがめて、プレッシャーをかけます。
初回の後半には、早くもディレルは押され気味の展開になります。
ウスカテギがサウスポーのディレルに、いきなりの長い右ストレートが再三ヒットします。
序盤から完全にウスカテギのペースで進み、そして、問題の3ラウンド終盤。
またもゴング間際にウスカテギがディレルをコーナーに追い込み、右アッパーをボディにヒットし、返しの左フックがディレルのテンプルをとらえます。
このパンチで、ディレルはガクッと膝を折り、膝がマットについたように思われましたが、体勢を崩しただけで、マットにはタッチしていませんでした。
後で確かめましたが、右アッパーはぎりぎりゴングに間に合っていますが、返しの左は明らかにゴング後でしたね。
(ウスカテギの右アッパーがボディをとらえ、返しの左がディレルのテンプルに)
(膝をついたように見えましたが、なんとか持ちこたえたようです)
(かなり強烈な右アッパーがボディにヒットしています)
当然のごとくウスカテギがガンガン前に出て、パンチを放ちます。
ディレルもここは足を止めて必死に応戦しますが、完全にパワー負けしています。
(ウスカテギの強い右がディレルのガードを割ります)
ディレルがペースを取り戻しに
セコンドからはっぱをかけられ、ディレルが6ラウンドから少しパンチに力を込めてペースを取り返しに来ます。
しかし、ジャブの威力が違いますね。どうしてもウスカテギのパワーに押され、ディレルは、なかなかペースを奪うことが出来ません。
それでも、7ラウンドは何とかディレルがやや盛り返したように見えましたが、余裕は感じられませんでした。
最後はパワーの差
ペースをつかみかけたのもつかの間。8ラウンドにウスカテギがかなり強めにパンチを放ってきました。
ディレルはまたロープに詰められ、連打をあびるシーンが増えてきます。
ディレルも時折、いいパンチを返しますが、ウスカテギの強パワフルなパンチが、それを帳消しにしてしまいます。
8ラウンド終盤に、ウスカテギの強烈な左ストレートがヒットしました。
(この左ストレートは強烈でした)
このままではディレルのダメージが蓄積するだけ、と判断したセコンドが、ディレルにギブアップを勧めます。
これを拒否したディレルの要望で、もう1ラウンドだけ様子を見ることになりました。
が、結局、9ラウンドのゴングが鳴ってもセコンドに阻まれ、ディレルはコーナーから出ることが出来ませんでした。
ジョー小泉さんは、ウスカテギを高く評価。「正規チャンピオンのケイレブ・トゥルーアックスに勝てるでしょう。」
「唯一の欠点は名前が言いにくことですね」
まさ、同感です。ウスカテギはパワーはもちろんですが、ディフェンスもうまい。上体だけでディレルのパンチを外していました。
S・ミドル級も少しずつ魅力的な選手が台頭してきましたね。