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フェリックス・ベルデホ(プエルトリコ)VSウィリアム・シウバ(ブラジル)
WBO中南米ライト級タイトルマッチ(2016年2月27日)
(出典:WOWOW)
倒せなかったことも物足りなった原因の一つですが、ベルデホの攻めが少しワンパターンで、ガードの堅いシウバを最後まで持て余したことにかなり不満を感じました。
今日の解説陣にジョー小泉さんがいなかったのですが、もしいたらきっとこう言うでしょう。「ベルデホはヘッドハンターですね。」
初回からスピードの違いを見せつける
西岡利晃さんはベルデホの「パンチを振りぬくボクシング」をべた褒めしてましたが、確かに左ジャブから右ストレートを思い切って振りぬいていました。
とにかく速い。スピードが全く違うので、初回からシウバはほとんど手が出せません。
ただシウバのガードは予想以上に堅く、手数も極端に少ないので、どうしてもガードの上からのパンチが多くなり、決定打を打ち込めません。
またベルデホの攻めは意外と単調なので、中盤あたりから、シウバはそのうち終わりを狙うことに活路を見出したようです。
ベルデホは元々パンチを思い切り振りぬくボクシングスタイルですので、元々連打が少ないのですが、こうなるとますます連打が出しにくくなります。
なぜボディを打たないのか
西岡さんいわく「ベルデホはリターンものすごく速い」ので、さすがのガードの堅いシウバも、ベルデホの強打をまともにもらう場面もありました。
しかし、回を重ねるごとにベルデホがだんだんとシウバの堅いガードを持て余し、単調な展開になっていきます。観客席からブーイングらしきものも聞こえました。
(ジャブから右ストレートのリターンが速い)
(ベルデホの打ち抜く長い右ストレートをよけきれずにもらう場面もありましたが)
顔面が当たらなならボディを打つのが攻めの鉄則だと思うのですが、ベルデホは顔面へのヒットにこだわり、ほとんどボディブローを打ちません。
上下の打ち分けをすればもっと楽な展開になっていたと思います。
(5ラウンドはこの右でシウバの動きが止まる)
(最終回、シウバが打ちに出るとベルデホのパンチが結構クリーンヒットする)
ほぼフルマークの完勝で、シウバも倒れなかったことだけに満足しているような感じでした。こういう相手を倒すのは難しですね。
しかも、175㎝のベルデホに対して、シウバは185㎝もあります。これもやりにくかった要因の一つかもしれません。
しかし、対戦相手のレベルが上がってくれば、今のボクシングスタイルでは通用しなくなると思います。いや十分通用してるか~。
でも、スーパースター候補ですから、やっぱりこれで満足したらもったいないですよ。
素質は文句なしに一級品ですから、攻撃の幅を広げてほしいですね。
次戦はとりあえずボディブローでKOしましょう。