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マイキー・ガルシア(アメリカ)VSロバート・イースター(アメリカ)
WBC・IBF世界ライト級王座統一戦(2018年7月28日)
WBC王者のガルシアは、38戦全勝30KO、30歳。
今年の3月にセルゲイ・リビネッツに判定勝ちして、4階級制覇を達成。一旦は、S・ライト級にとどまることを表明していましたが、結局IBF世界S・ライト級タイトルを返上し、ライト級に戻ってきました。
IBF王者のイースターは、21戦全勝14KO、27歳。
180㎝の長身ボクサーで、リーチはなんと193㎝。
ガルシアとの身長差は13㎝、リーチ差は21㎝もあります。
下馬評では圧倒的にガルシアが有利ですが、さて、この長さをどう克服するのでしょうか。
あっという間に距離を詰める
予想通りイースターが速くて長い左ジャブを突いて、ガルシアの接近を許しません。
これは、思っていた以上に遠い感じですね。
しかし、ガルシアは並みのボクサーではありませんね。ジャブを先に当てたのは、ガルシアの方でした。
そして、あっという間に、距離をつぶし、ペースまでつかんでしまいます。
イースターの長いジャブは、ほぼ見切られて、空を切ります。
ガルシアはプレッシャーをかけ、イースーターを追いつめます。
3ラウンド終盤、バックステップを踏み続けたイースターに、ガルシアの左ジャブから右フックがヒットし、返しの左フックで早くもイースターがダウンします。
(左ジャブを突いて、素早く飛び込んで右フックをヒット)
狙っていた右を狙い通りに当てる技術は、ちょっと真似ができないでしょうね。まさに職人芸です。
立ってきたイースターは、とりあえずゴングに救われます。
ガルシアがプレッシャーをかけ続ける
イースターにそれほどダメージは感じられません。とにかく左ジャブを突いて、自分の距離をキープすることに専念します。
ガルシアも右を狙いすぎなのか、前に出てプレッシャーをかけますが、それほどパンチは出しません。
イースターは攻防分離型のボクシングなので、カウンターはほとんど打ちません。
ガルシアにとっては、距離を詰めやすいボクサーと言えるでしょう。
ただ、ガルシアがロープに詰めて連打を放つと、イースターはガードを固めてしっかりディフェンスするので、崩すのは容易ではありません。
イースターも、左ジャブはガルシアの攻撃を阻むのには十分効果的ですが、そこから先の攻撃が続かないのが残念です。
8ラウンドにややプッシャーを強める
8ラウンドに入ると、7ラウンド終了間際のワンツーで手応えを感じたのか、ガルシアがプレッシャーを強めてきました。
9ラウンドはさらにプレッシャーが強くなり、明らかに「倒しに来た」感じですね。
しかし、イースターもここが勝負と判断したのか、果敢に反撃に転じます。一番盛り上がったラウンドでしょう。
なかなか白熱した攻防の後、やや疲れたイースターにガルシアが襲い掛かります。
イースターが逃切り態勢?
10ラウンドは、やや疲れの見えたイースターが、左ジャブで距離を取り、ロープに詰まるとガードを固めてクリンチ。どうやら、ガルシアのボディブローが効いたようですね。
ガルシアもさすがにパンチにキレがなくなり、逃げ回るイースターを追いつめますが、ビッグパンチを打ちこむことが出来ません。
結局、KO負けを回避することに専念するイースターを捕まえきれず、最終回のゴングが鳴らされました。
判定は3-0(116-111、117-110、118-109)で、ガルシアが全く危なげなく王座を統一しました。
次はエロール・スペンスと!
問題は、ガルシアの次の対戦相手です。なんと、2階級上のエロール・スペンスとの対戦を希望しているようです。
いやいや、いくら何でもそれは無謀でしょう。でも、本人は本気のようですよ。
「わしボク」はもちろん、ワシール・ロマチェンコとの統一戦がぜひ見たい!
スペンス戦はその後でもいいでしょう~