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WBA・IBF世界ウェルター級王座統一戦(2025年4月12日)
ジャロン・エニス(アメリカ)VSエイマンタス・スタニオニス(リトアニア)
両選手のプロフィール
ジャロン・エニス(アメリカ)IBF王者
34戦33勝29KO1NC,27歳 スイッチヒッター
身長178センチ リーチ 188センチ
無効試合を挟んで、18連続KO中のハードパンチャーです。2021年にはセルゲイ・リビネッツと世界ランカー対決で6RKO勝ちしています。2022年5月には、世界ランカーのカスティオ・クレイトンに何もさせず2RKO勝ちの圧勝。2023年1月の暫定王座決定戦では、カレン・チュカジャンを最後まで捕まえきれずに大差の判定でタイトルを獲得。2023年7月、強豪のロイマン・ビジャにKO勝ちして初防衛に成功しました。しかし、2024年11月の3度目の防衛戦では、またチュカジャンの変則ボクシングに悩まされ、フラストレーションのたまる判定勝ちでした。
エイマンタス・スタニオニス(リトアニア)WBA世界ウェルター級王者
16戦15勝9KO1NC、30歳 オーソドックス
身長 173センチ リーチ 173センチ
2021年トーマス・ドゥローメとWBA挑戦者決定戦を行い判定勝ち。そして、2022年12月にラジャブ・ブタエフに判定勝ちして、WBAタイトルを獲得しました。その後、バージル・オルティスとの防衛戦がオルティスの病気により3度も延期になりました。結果、2年間のブランクの後、2024年5月にガブリエル・マエストレに判定勝ちして、初防衛に成功しました。
展開予想
お互いの経歴を見ると、エニスが圧倒的に有利に思えます。しかし、スタニオニスはなかなかの癖もですよ。パンチ力ではエニスに負けるでしょうが、パンチのスピード、的確さはなかなかのものです。上下のパンチも、左右のボディブローもシャープです。エニスがもたもたして、判定決着になったら、スタニオニスの勝利も十分考えられます。スタニオニスの難点は、ディフェンスですね。ほとんどボディワークを使わず、固いガードだけでガードします。これが意外と盲点で、エニスのパンチがヒットする可能性は高いですね。エニスにとっては、チュカジャンよりはるかに戦いやすい相手だと思います。
試合展開
序盤はスタニオニスも積極的に前に出る
スタニオニスが前出て、エニスはジャブを突いて距離を取ります。2ラウンドはエニスが頻繁にスイッチし、スタニオニスを幻惑します。スタニオニスは手数が少ないですね。
3ラウンドからエニスがペースを握る
3ラウンドも左右にスイッチしながら、エニスが左右のパンチを的確にヒットします。そして、ラウンド終盤、エニスの右フックでスタニオニスがたたらを踏む場面もあり、エニスがこのあたりで完全にペースを握った感じです。
4ラウンドからエニスがボディ攻撃
4ラウンドからエニスのボディアッパーが多くなってきました。スタニオニスもシャープなパンチを時折返しますが、手数ではエニスが圧倒的に多いですね。
5ラウンドはエニスがペースを落としたのか、スタニオニスが前に出て、シャープなパンチを放ちます。しかし、2分過ぎからエニスがボディを中心に連打を浴びせ、スタニオニスは鼻から出血。
6ラウンドにスタニオニスがダウン
6ラウンドもエニスがジャブでスタニオニスを追い詰めます。そして残り30秒、エニスのボディ攻撃でスタニオニスがついにダウン!立ってきましたが苦しそうです。これが決定打となり、6ラウンド終了時点で、スタニオニス陣営からギブアップの申し出があり、エニスが6ラウンド終了TKO勝ちでタイトル統一に成功しました。
エニスは噛み合う相手だと、本来の力が発揮できるようですね。久しぶりにエニスらしいパワーボクシングを見せてもらいました。