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ファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)VSフェリペ・オルクタ(メキシコ)
S・フライ級12回戦(2018年10月25日)
(出典:WOWOW)
エストラーダは、39戦36勝25KO3敗、28歳。WBC1位。
コンパクトなパンチ、巧みなボディワークによるディフェンス、ステップワーク、どれをとっても一級品ですが、ボクシングに派手さがなく、微妙な採点になると、どうしてもジャッジにアピールするパフォーマンス不足で損をしています。
シーサケット戦でも、相手のパンチはほとんどまともにはもらっていません。ただ、エストラーダのパンチはコンパクトで、オーバーアクションのシーサケットに比べると地味でしたね。
シーサケット・ソールンビサイが乱暴なボクシングで押し切る VSファン・フランシスコ・エストラーダ 「スーパーフライ2」
オルクタは、40戦36勝30KO4敗、32歳。WBC7位。
長身ですが、KO率75%の強打者です。
序盤はエストラーダの技巧が光る
序盤のエストラーダは、いつも見事なボクシングを披露します。
リラックスした構えから、ポンポンとパンチを放ち、オルクタのパンチは巧みなボディワークで空を切らせます。
そして、オルクタが前に出てプレッシャーをかけ始めると、少しずつギアをあげ、オルクタの攻勢を冷静にさばきます。
「まるで、格下相手にレッスンをしているみたい」と解説の西岡利晃さん。
オルクタが中盤からプレッシャーを強める
オルクタは長身ですが、やや猫背でとてもパワフルな感じはしないのですが、KO率75%は数字だけではありませんね。
シーサケット戦でも感じましたが、エストラーダはパワフルに前に出られると、どうしても体幹負けしてしまいます。
それでも7ラウンドは、前に出てパワフルにパンチを放つオルクタに対し、エストラーダは一歩も引かず応戦。激しい打ち合いになりました。
しかし、パワーとパンチ力で勝るオルクタは、エストラーダのパンチにひるむことなくガンガン前に出て、さすがのエストラーダも押され気味。完璧なディフェンスに、少しずつほころびが見えるようになってきます。
距離をとるエストラーダ
7~8ラウンドでややスタミナを使ったエストラーダは、下がりながら距離をとり、オルクタの攻勢を捌きながら、立て直しを図ります。
終盤の2ラウンドは、エストラーダがペースアップし、攻勢に転じます。最終ラウンドはかなりオルクタを追いつめましたが、意外とタフで粘り強いオルクタに逃げ切られてしまいます。
判定は3-0(118-110、117-111,117-111)でエストラーダが再起戦を勝利で飾りました。
オルクタは見た目以上にタフでパワーがありましたね。
序盤の展開から、エストラーダが楽に勝てると思いましたが、意外に苦戦しました。
エストラーダは、フライ級の方が力を発揮できるような気がしますね。
恐らくシーサケットと再戦しても、前回と同じような展開になるでしょう。