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ドニー・ニエテス(フィリピン)VSアストン・パリクテ(フィリピン)
WBO世界S・フライ悠王座決定戦(2018年9月8日)
(出典:WOWOW)
ニエテスは、46戦41勝23KO4敗4分け、36歳。WBO1位。元3階級制覇王者。
今回は、階級を上げて、井上が返上したS・フライ級王座に挑みます。
パリクテは、26戦24勝20KO2敗、27歳。WBO2位。
身長173㎝の長身で、KO率77%のハードパンチャーです。
出入りのスピードでニエテスがペースを握る
さすが元3階級制覇チャンピオン、しかも世界戦負けなしのニエテスのテクニックは一級品です。
速いステップインで先にパンチをヒットします。パリクテはそのうち終わりを狙いますが、ニエテスの速い動きに自慢の強打をなかなかニエテスにヒットできません。
4ラウンドにパリクテが前に出てプレッシャーを強め、強いパンチを打ち込んできますが、攻撃がワンパターンでなかなかニエテスをとらえることが出来ません。
ニエテスの右ストレートカウンターが再三ヒットし出すと、パリクテの手数が減ってきます。
ただ、パリクテは打たれ強いのか、ニエテスのパンチが軽いのか、この右ストレートをまともにもらってもケロッとしています。
後半、パリクテが手数で対抗
後半、ペースを取り戻そうと、パリクテがさらにプレッシャーを強め、手数も増えてきます。
ニエテスは前半の疲れか、やや手数が減り、スピードも落ちてきたような気がします。
パリクテは、ニエテスの踏み込みに対しても、うまくバックステップでかわすようになってきました。(西岡利晃さん談)
ただ、パリクテは当て勘が悪く、パンチの数ではニエテスを上回るものの、クリーンヒットではニエテスの方が勝っています。
それでも、9ラウンドのパリクテの右ストレートのカウンターは、ニエテスの腰が少し落ち感じで、解説の西岡さんも「ニエテスはうまくごまかしていますけど、効いてますよ」。
終盤もパリクテが攻勢をかけますが、やや攻撃が雑で、ニエテスの右のカウンターが的確にパリクテの顎をとらえます。
テクニックではやはりニエテスに一日の長がありますね。
何発もクリーンヒットを奪いながら、ほとんどダメージを与えられなかったニエテスのパンチでしたが、最終12ラウンドの右フックは、パリクテにダメージを与えたようです。
ニエテスが最後の力を振り絞って攻勢をかけます。パリクテは最終ゴングまで逃げ切りました。
「わしボク」の採点は、116-112でニエテス。
しかし、公式ジャッジは、1-1(118-110、112-116、114-114)でドロー!
これはちょっとニエテスが可哀そうですね。
とにかく、空位のタイトルは、空位のままとなりました。
もう、「永久欠番?」にしますか。