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シーサケット・ソールンビサイ(タイ)VSファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)
WBC世界S・フライ級タイトルマッチ(2018年2月24日)
(出典:WOWOW)
シーサケットは48戦43勝39KO4敗1分け、31歳のサウスポーです。
初めて知ったのですが、シーサケットのデビュー当時の戦績は、5戦1勝3敗1分けだったそうですね。2009年には違うリングネームで、八重樫と対戦しTKO負けを喫しています。
それが今や無敵のロマゴンをKOし、一気に世界中のボクシングファンの注目を集めるまでの存在になっています。
エストラーダは38戦36勝25KO敗、27歳。WBC1位。
「スーパーフライ1」でカルロス・クアドラスを僅差の判定で勝利し、挑戦権を獲得しています。
序盤はエストラーダの技巧が光る
いつものようにガンガン前に出て、とにかくパンチを放つシーサケットに対して、エストラーダは打ち終わりを狙い、ショートのパンチをヒットさせます。
シーサケットのパンチは派手ですが、クリーンヒットではエストラーダが上です。
シーサケットのパワーがさく裂
しかし、3ラウンドあたりから、シーサケットのプレッシャーが強くなり、エストラーダも軽いパンチをカウンターでヒットさせますが、打たれても前進してくるシーサケットのパワーに押され気味になります。
体力にものを言わせ、ガンガン前に出て、エストラーダを追いつめます。
パンチの打ち方はお世辞にもクリーンではありませんが、とにかくパワーがあります。
エストラーダは下がりながら、軽いカウンターを放つの精いっぱいです。さらにシーサケットのボディ攻撃で、フットワークにスピードがなくなってきます。
終盤エストラーダが勝負に出る
このままシーサケットが最後まで押し切るかと思われましたが、8ラウンドあたりから、シーサケットがやや失速し、エストラーダのパンチがヒットし出します。
9ラウンドに入ると、エストラーダがギアをチェンジし、力を込めた右ストレートがシーサケットの顔面をとらえるようになります。
シーサケットの圧力がやや弱くなり、逆にエストラーダのフットワークの動きが良くなってきます。手数も増え、シーサケットがかなりパンチを被弾するようになります。
11ラウンドにシーサケットが再び盛り返しますが、最終ラウンドはエストラーダの手数が勝っていました。
パンチの派手さではシーサケットですが、クリーンヒットはエストラーダの方が多かったように思います。
私の採点は114-114のドローです。
公式ジャッジは2-0(114-114、115-113、117-111)でシーサケットの判定勝ちです。
しかし、117-111はないでしょう。
ボクシングのスキルでは明らかにエストラーダだと思いますが、最近は手数とパワーを評価する傾向にあるようですね。
私はシーサケットみたいな、雑なボクシングは好きになれませんね。
再戦するなら、エストラーダは前半で倒すぐらいの気持ちがないと、また同じような乱暴なボクシングに巻き込まれ、引き分けるのが精いっぱいでしょう。